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バンフ周辺へ行こう
〜ロッキーに咲く日本の希少種〜
5月下旬から6月上旬にかけて開花が予想されるお花を3種類紹介。いずれも日本のお花好きが聞いたら仰天するような、付加価値たっぷりの種類なのだ。
「Venus Slipper」(ビーナス・スリッパー)
花の色:ピンク
主な開花場所:ジョンソンレイク湖畔 (バンフ国立公園) など
日本では北海道の定山渓や青森県のヒバ林でわずかに確認できる「ホテイラン」。絶滅危惧種にも指定される貴重な種類。ロッキーでは最も早咲きの野生ランとして知られる。
学名のCalypso(カリプソ)はギリシャ神話で天空を支える神、アトラスの娘の名前。ホメロスの英雄叙事詩オデュッセイアには、森に住む美しい妖精(ニンフ)として登場。針葉樹林の下にたたずむ姿はまさに森の妖精!
「Yellow Lady's Slipper 」(イエロー・レディース・スリッパー)
花の色:黄色
主な開花場所:ボウバレー州立公園など
日本では1911年、サハリンが生息地として記載された「カラフトアツモリソウ」。現在では北海道の礼文島(レブンアツモリソウの保護区)にわずか3株のみ生息するだけの貴重な種類。
このお花を「外来種(帰化植物)」とする学説と、「礼文島の固有種」とする学説に分かれ論議が交わされている。前者であれば、貴重なレブンアツモリソウに悪影響を及ぼすために早期撤退が必須。後者であれば、絶滅危惧種として早急に保護しなければいけない。双方の学説は科学的な根拠に基づき、譲り合うことがないまま年月だけが過ぎている。
ロッキーではそんな争いなど知る由もなく、次々と立派な株が登場。初夏のぬくもりとやすらぎを与えてくれるお花。
「Glacier Lily」(グレーシャー・リリー)
花の色:黄色
主な開花場所:エメラルドレイク湖畔(ヨーホー国立公園)など
日本で大人気の山野草「カタクリ」の仲間。
もののふの 八十娘子らが 汲みまがふ
寺井の上の 堅香子の花 (万葉集 巻十九 四一四三)
大伴家持が詠んだ歌で、「堅香子」とはカタクリの古名。お寺の湧き水を楽しそうに汲む乙女たちの美しさを、周りに咲くたくさんのカタクリに重ねたとの意味。
日本のカタクリとは花の色も葉の様子も異なるグレーシャー・リリーは、雪解けの湿った土壌を追い求め、いくつかの決まった場所と時期にお目見え。圧巻はバンフ周辺のヒーリーメドウ。(例年7月上旬頃)広大無辺のその土地が、見渡す限りの黄色で埋まるのだ。大声で叫びたくなるその景観は、カナディアンロッキーが世界に誇るお花畑。決して大袈裟な表現ではない。
鑑賞の際はマナーを忘れずに
いずれも繊細で非常に弱いお花たち。トレイルから外れないなど、マナーと常識を持っての鑑賞・気配りのある接し方を願います。また、気候などの影響により開花時期がずれる場合があります。
写真/文 田中康一
www.ilovewintergreen.com
「バカは高い所へのぼる」
〜春のハイキングスポット紹介Part2〜

山登りの楽しみのひとつに、そこに咲く旬の花々との出会いがある。クロッカス(Crocus)は春一番に咲き出す野草の花で、場所によっては3月から見ることができる。人によって「春の訪れ」に個人差があるように、山によっても違ってくるようだ。私は、5月上旬にこれらの山でクロッカスの花を見た。
■マウント・ヤムナスカ(Mount Yamnuska)
標高2240m 所要時間(横断)約4〜5時間
ロッキー山脈の先端にあり、キャンモアからカルガリーへと向かうハイウェイ左側、最後に見える山。 「SCRAMBLES」というガイドブックには「easy」と書かれている。だが、頂上に行くまでにロープを握って崖を横切らなければならない難点があり、全体的にも簡単に登れる山とは言いがたい。それでも東から西へと山を横断するトレイルは、景色にも足元にも様々な変化があって面白い。ふもとにはポプラの木々が茂り、山頂近くは岩場になる。頂上からは、丸い地平線が眺望できる。下りは威厳のある岩山を見ながら歩き、急な砂利の斜面をスキーのように滑って降りる箇所もある。難点を避けたい人は、本当の頂上に行かなくても、最初に辿り着く山頂からでもすばらしい景色を見ることができる。
■グロットー・マウンテン(Grotto Mountain)
標高2706m 所要時間 往復約7〜8時間
マウント・レディー・マクドナルドの隣にそびえる山。アルパイン・クラブから丘を越えて歩いていく。勾配のきついトレイルをひたすら登り続けなければならない。私は、途中でライチョウ科の鳥、雄のグロウス(Grouse)とばったり会った。山頂から本当の頂点へ行くには、稜線を辿って歩いていく。標高が高いので、気温が低く雪も残っている。頂上からは、ロッキーの山々とキャンモアの町を見渡せる。
*これらの山に初めて登る人は、トレイルに知識のある人と同行することをおすすめします。
写真/文 岩崎智美
土と水と太陽と
〜ガーデニング日記 A種まき〜
前回、4月の最終週あたりに種をまくと予告しておきながら、結局種をまいたのは5月7日でした。バンフの「ホーム・ハードウェア」で、発芽用のミニ温室セットが手頃な価格で売られていたので、今年はそれをふたつ購入。発芽には特に栄養素の高い土が必要なため、土も一袋買いました。
この日にまいたのは、まだ寒いこの時期でも大丈夫な4種。(インゲン、グリーンピース、ラディッシュ、ポピー) 野菜は、今後2週間ごとに残りの種をまいていく予定なので、これはまだ第一弾です。
霜が降りる最後の日
種をまく時期は、種の袋の裏を参照。「"Last Frost"のすぐ後」とか「"Last Frost"の過ぎた温かい土に」などと書いてあります。
この"Last Frost"は寒い土地のガーデニング目安であり、春先にかけて霜の降りる可能性がある最後の日を指します。土の中の種はともかく、芽が出た植物の大半にとって、霜は大敵です。冬が終わり、もう霜が降りる心配のなくなった時期が種まきの目安に、夏が終わり、また霜の降りる心配の出てくる時期が大体の収穫の目安になっています。
バンフの"Last Frost"はインターネットで調べても出てきません。例年のカルガリーの"Last Frost"が5月23日、"First Frost"が9月15日なので、カルガリーよりも標高が高いバンフでは、大まかに"Last Frost"が5月下旬、"First Frost"が9月上旬とすればいいでしょう。それにしても、わずか4ヶ月間のガーデニングシーズンとは、短いものです。
今から屋内で種を発芽させておいて、"Last Frost"が過ぎたころに外に植えるのが私のスケジュールです。これは、このコラムのこともあり早めなので、皆さんこれを読んでから始めても遅くはありません!
花を育てたい方のために
育てやすいとされている種類の野菜は前回お知らせしたので、今度はお花を。コスモス、ポピー、ビスカリア、フォーゲットミーノットなどは種からでも簡単に育てられるそうです。パンジー、ビオラ、ペチュニアなどは小さな苗から買ってから大きな鉢に植え替えてあげると、どんどん大きくなり花も増えて夏中楽しめます。
種ではなく、苗から育てるものバンフで入手するには、インダストリアル・コンパウンド内の"Guenther's"へ。町唯一のガーデンストアーです。昨年はここでトマトの苗も入手可能でした。(キャンモアでは"M.J. Landscaping"〔1106 Bow Valley Tr.〕がおすすめです。)
喜びのひととき
まだガーデニングをはじめて3シーズン目ということもあり、芽が出るかどうかは心配です。でも、よかった。種をまいてから5日目の朝、ラディッシュ(写真)とグリーンピースの小さな双葉がお目見えしました! それから3日後にはインゲンが発芽。これがガーデニングの喜び第一号です。あとは苗を植え替え、必要な水、日光、肥料を与えてあげるのが今後の任務です。
小林りん
Toshi の人生いろいろ日誌
「日本の常識、カナダの非常識?!」
The 常識 In Japan
「残念ですが、かなりお時間も経っておりますし、手前どもではお取り扱いできません。」
笑顔の中にも毅然とした態度で、店員による最後通告が宣言された。数年前の日本のある電化製品店での1シーンである。ダメモトで行ってみたものの、やはり予期していた通りの結果となった。手元に寂しく戻された品をしげしげと見つめながら、
「やはり取り替えてもらうのに、保証書も領収書もないんではなぁ!」
ため息交じりの声も店内放送の騒々しさの中に飲み込まれてしまった。
ある日の出来事 In Canada
カナダへ来て数ヶ月が経ったある日のこと。「ちょっとお店まで出掛けてきます」と言う妻。その手には、今から出掛けようとする店で数ヶ月前に買った商品が握られていた。それを包んでいた紙は勿論現存せず、箱はお世辞にも丁寧とはいえない開けられ方をされ、その商品を再度陳列棚に戻すことはあり得ないのが容易に想像できた。
実は、その中身と買い主の妻とのご対面は、購入後かなり経ってから。包装紙を開けての対面第一声は「これ何よ! 間違えちゃった!」で、そのうちに交換してくるとの約束の言葉を最後に、棚の上のほうに寂しく取り残されたままであった。
それは、数ヶ月忘れ去られていたが、台所の掃除中に、妻との念願の再会を実現した次第であった。
「あ、これ交換してくるの忘れてた!」
「いったい、いつの・・・? それに、領収書なんかもうないだろ?!」と私。
「大丈夫、大丈夫、何とかなるから!」と、最近考え方も体型もやけに大陸的になってきた妻。私の常識センサーが声を1オクターブ上げさせ、諭すような口調になって、
「あのね、たとえ保証があっても、もうかなり経っていて、おまけに領収証とかその店で買ったという証拠も何もないっ! そしてその壊れたような箱! 考えても見なさい! 恥をかくだけだよ!!」
「大丈夫、大丈夫、何とかなるから!」と再び大陸型の妻。
留守電のような同じ答えに、体内のアドレナリンが脳内スクリーンに良からぬ想像絵巻を映し出す。それは・・・ 店からうなだれて帰ってくる妻の姿と、手に戻された商品がオーバーラップ気味にスクリーンに映し出される。反省を込めた沈んだ声で「あなたの言った『常識』の通りでした。素直に聞くべきでした。ホントにごめんなさいっ!」・・・即、私の勝利に満ちた顔がスクリーンにアップされる。「ガハハハ、なんのなんの、誰にも思い込みはあるさ! ユルス! ゆるす!」・・・。
No Problem !!
30分後、「ただいまぁ!」
想像の世界に浸っている亭主を現実に引き戻すに充分な妻の生き生きとした弾んだ声。・・・ん、かなり様子が違う。
「やはり、だめだったろう?!」
期待(?)を込めた私の声は早くも自信を失っている。
「ぜ〜んぜん。店員さん、"NO PROBLEM !!"って言って笑顔で新品と替えてくれたよ!!」
「いや、そんなはずが・・・。ホントに領収証とかいろいろ要らなかった? お金払ったんじゃない? ・・・ホントに本当?」
「ぜ〜んぜん。ほら、この通り。」
戦利品のごとく目の前に証拠物件をどアップに出されては、「常識人」(と思っていた)私は白旗を揚げるしかない。
「いや〜、参った。日本の常識も、ここでは通じないんだね。いや〜悪かった!! ゴメン、ごめん!! あんたが正しかった!!」
「いいえェ、いいえェ、誰にも思い込みはありますからねぇ〜!!ユルス! ゆるす!」
何でも包み込んでくれる寛大なカナダの大陸を垣間見たような「非常識」事件でした。
お役立ち聖書の言葉
「正しい者の望みは喜びであり、悪者の期待は消えうせる。」 (箴言10章28節)
Grace Japanese Christian Church
牧師 村仲俊朗
http://canrockies.at.infoseek.co.jp/info.html
Let's Talk Like Canadians!!
〜英会話ワンポイントアドバイス〜
What's gotten into (someone)?
= 一体何があったの?
「いつもの彼/彼女らしくない」、「普段とどうも様子が違う」と感じた時に使われるフレーズです。相手の身の上に起こった事柄などを心配する気持ちを表すときに多く用いられます。また、相手の行動や言動があまりにも度を越していて「ちょっとおかしい」と感じる時に、「あいつ一体どうしたんだ?」というようなニュアンスを込めて使われることもあります。
●Situation 1
Don: Lisa hasn't smiled in a few days. What's gotten into her?
Bill: She broke up with her boyfriend on the weekend. She's not very happy about it.
Don: Now I understand her unusual behavior.
●Situation 2
Tammy: I've never seen her so happy. She won't stop smiling. What's gotten into her?
Mildred: She met a cute guy about 3 weeks ago, and they have been seeing each other
everyday.
●Situation 3
Ron: Steve, you seem in a bad mood today. When you arrived at work this morning, you
didn't say good morning to anyone. What's gotten into you?
Steve: Sorry, Ron. I asked the boss for a raise yesterday, and I didn't get it. I'm not
happy about his decision. I'll have to apologize to everyone.
Ron: I thought you weren't acting like yourself.
BY Susan Taylor (Banff Education Centre講師)
編集長後記
先日、日系商工会の恒例行事「春のお掃除」に参加しました。この行事は今年で10回目になります。もしかして参加皆勤賞かなと思いながら、この10年の月日の早さを実感しています。
元々、日系商工会の発足と町のお掃除は、地元地域社会に日系人としてすこしでも貢献しようという目的だったと思います。
当時10年前といえば旅行業の繁盛ピークで、あまりの日本人観光客の多さとその金銭的な流れがとても目立っていました。バンフの町で事業を営む日系人や会社に勤める人の数は多く、経済的に派手な世界としてバンフの町でも別格に浮いて見えていたものです。地元カナダ人の間では「日本人は金もうけにしか興味ない」と中傷する人も多くいました。バブル時代の流れでバンフのホテルが次々に日系企業に買収されたこともカナダ人に圧迫感を与えていたのでしょう。そんな地元カナダ人の誤解を解いて、溶け込んでいくためには私たちも努力が必要だったのです。日系商工会を発足させ「私益ばかりを追い求めず、バンフ全体の活性化」を目差す日系人としての意識が求められました。
あれから10年の歳月が経ち、時代の流れとともにその目的も徐々に達成されつつあると思うのは私だけでしょうか? 一年にたった一度だけであっても、その都度100名以上もの人々が自分の時間を割き町のために掃除をする、その姿はやはり素晴らしいです。この自然と町に恩恵を受けて生きていることをいつでも忘れないようにしたいものです。(ち)
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