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憧れのレイクオハラ 〜天国の湖〜
別名「天国の湖」で知られるレイクオハラ。他のハイキングコースとの決定的な違いは、静粛さと湖を囲む3000m級峰々の迫力です。
レイクオハラ地区は自然保護地区のため、その繊細な環境を守るための入山規制が厳しく行われています。日帰りハイカーは一日に約40人が目安で、入山には特別なシャトルバスを利用しなければなりません。バスの予約は、通常2ヶ月先まで満員というのが現状です。一旦入山するとあまりの静けさに心を打たれます。大自然の大きな力に癒される思いです。
バンフから車で国道1号線を西へ約一時間走ったところにレイクオハラ・アクセスポイントがあります。そのシャトルバスの乗り場からレイクオハラまでは約13km。
レイクオハラの魅力は、湖とその周囲を囲んだ今にも湖に倒れてきそうに迫る山々の景色にあるでしょう。また、レイクオハラを基点に色々なハイキングルートが楽しめます。シェーファー山方面から真っ青な水をたたえたマッカーサー湖までのコースや、ウィワクシー山方面へ上がり、標高2,275mのオエサ湖からオパビン台地コース、もしくはオハラ湖から直接オパビン台地へあがって、ハンガビー湖付近でゆっくりするのもいいかもしれません。
9月中旬は周囲に群生するラーチ(唐松)が黄金色になり、一層の素晴らしさを誇ります。ここは自然と動物を大切に思う人のみにお勧めしたいロッキーの秘境です。
★ レイクオハラ行きバスチケットをプレゼント中。(P.3)
遠藤千晶
B2K(前編)
5月10日 7:00AM
「大丈夫かこれ?」
足元の氷を買いたてのスキーで踏み込む。氷はビクともせず、確かな抵抗をスキーブーツの底に感じた。場所はアイスフィールド・パークウェイにあるボウ・レイク。全体を見渡すと水の色がうっすらと氷越しに透けて見える。湖岸の氷は完全に溶け、沢の流れ込み付近は大きく湖面が顔を出している。
かろうじて湖岸まで凍結している場所を見つけ、恐る恐る氷の上に乗る。氷の強度を3分の2だけ信用しながらその上をスケーティングで進む。湖の中ほどまで来たときに青がやけに濃い穴があった。友人のKがストックを突き立てると、ちょっとした抵抗の後、ポールは手元までズブリと穴の中に消えた。湖のほぼ真中、水深50メートル以上はありそうだ。僕らは氷の極端に薄い部分を猛スピードで、しかもそっと通過した。
湖の終わりが見える。氷と湖岸の間には1メートルぐらい氷が張っていないスペースがある。僕とKはスピードに勢いをつけて水に向けてスキーを滑らせた。氷の上を離れたスキーは水飛沫を上げて水中に沈み、踝まで水に浸かったところで湖の底を感じた。僕たちは顔を見合わせてほっとした表情を確かめ合った。
7:30AM
湖を無事渡り切ると、広い平地が広がっていた。上流から氷河の溶け水が流れ込み、複雑な水路を作っている川が流れ、背の高い木は全く生えていない。そこでまた一つ難関が増えたこと知る。行き先に全く雪がない。仕方なく重いスキーをバックパックに取り付け、雪の全くない平地をひたすら歩く。通常なら雪に埋まっている小川を遠回りしながら何度も渡り、森の入り口につくとやっと暗い森の底に雪が現れた。
7:50AM
森に入るとテレマーク・スキーに滑り止めのシールを取り付けて快適に進む。長年親しんだスノーボードに比べると歩行は飛躍的に楽である。途中、小さな雪崩の跡を過ぎると緊張が解け、リラックスした気分を楽しみながら歩くことが出来た。
8:20AM
狭いキャニオンに入る。キャニオンの底には細いながらも力強く流れる小川がある。真冬にここを通ったときには小川は全て雪で被われ、両側の崖の上からの雪崩に注意さえすれば何の問題もなく通過していた。
キャニオンに入ったとたん轟々と流れる川が僕らの行く先を阻んだ。水深が低いのでスキーを履いたまま小川に入る。小川を越えると、しばらく雪の上を快適に歩く。するとまた小川が行く手を阻む。スキーを外し担いで小川を何とか渡る。背中にあるスキーが水流を渡る僕の足元を不安定にする。何度もスキーを履いたり外したりする作業が苛立たしい。スキーを担ぎっぱなしにして歩きたいが、スキーを外して雪の上を歩くと足が腿までもぐる。イライラが頂点に達して間もなく、僕らはキャニオンの外に出ることが出来た。ここからは谷底を歩く必要はない。
9:30AM
快適な歩きになるはずだった。しかし、いつもよりずいぶんと軽いはずのバックパックのストラップが肩に食い込むように感じる。キャニオンの中で体力をずいぶん吸い取られたようだ。氷河が目の前に迫ると最初の目的地、ボウ・ハットが見えた。普段ならもう少しでボウ・ハットだと喜ぶはずだが、今日は事情が違った。
「まだ、あんな上のほうにある・・・。」
僕らはボウ・ハットに向けて高度を上げていった。
11:30AM
ボウ・ハットに到着した。いつもならここに泊まってストーブの火を見ながら明日の計画を練るのだが、今日は無視。氷河の上をひたすら登っていく。登っている時のことはあまり覚えていない。ぱっとしない天気の中、時折コンパスで方向を確認しながら足を前に進める簡単な作業をひたすら続けていた。
14:00PM
セントニコラスを回り山の鞍部に出る。ここから今回初めての滑りだ。Kはスキーの経験はなく、テレマークは4回目だ。僕自身もテレマークの経験は乏しく、あまり滑りには自信がない。いつもは喜びの滑降だが今日は恐怖の滑降である。
スキーからシールを外していると物凄い突風だ。飛んでくる雪沫が顔に当たり、前に顔を向けられない。まぶたの隙間から進行方向を見ると真っ白で先が見えない。突風が終わると深い深い霧に包まれた。世界は真っ白で平衡感覚はなくなり、まるで空間に投げ出された宇宙飛行士だ。僕らは何も出来ないまま氷河の上に立ち尽くした。
何度目の突風をやりすごしただろうか。気が付くと進行方向の視界は開け、青空が広がっていた。
「今だ!」
僕がそう叫ぶとKは斜面に向かってストックを雪に突き立て漕ぎ出した。僕もその後に続く。氷河の上に積もった軽い雪は心地よい感触をスキーの裏に与えてくれた。もう5月だと言うのに素晴らしい雪だ。
しばらくすると目の前は落ち込んでいて、先は見えない。スピードを落として慎重に左に迂回しながらその先を覗き込む・・・。そこには広大な雪原が広がっていた。そこはワプタ大氷原のほんの一部だが、とてつもなく広大に感じた。遠くにバルフォアー・ハットを探す。次のハットは簡単に見つかった。小さな青い点が氷河の先端にひっそりと遠慮がちに立っていた。
「目標まで一気に行こう。ここで時間稼ぎだ。」
僕らはその小さな山小屋にスキーの先を向け、一気に広大な白い世界に滑り込んだ。
15:00 PM
バルフォアー・ハットは今回の行程のちょうど中間にある。ボウ・レイクからキッキングホース峠にあるウェスト・ルイーズ・ロッジまで一日で横断してしまおうというのが僕らの計画だった。
15:00 ! なんて中途半端な時間だ。全ては悪い方向に事が進んでいた。アプローチの雪不足による時間の遅延、Kの体調不振、慣れない新しい僕らの仲間テレマーク。全てが計画のマイナス方向に向かっていた。だが、ひとつの朗報もある。
「ここで一泊してしまえ。ゆっくり休んで明日また出かけよう。言い訳は山ほどある。誰も俺達を怠け者なんていわないぜ」。
この一言でハット宿泊が決定。つかれた体を寝袋の中でたっぷり休ませた。(次号へ続く)
「永作まさかず」改め、「稲毛田 健司」
数年前から仲間内ではバレバレなので今回から本名で・・・
www3.telus.net/public/toloco/
Let's Talk Like Canadians!!
〜英会話ワンポイントアドバイス〜
Go Through (something) = くまなく探す、調べる
様々なものが入ったところから自分の目的とする物を見つけ出す、または既に自分にとって不要となったものを選り分けるために「探す/調べる」というニュアンスを持ちます。私たちが普段“Go Through” するものとして多いのが、洋服(洋服ダンスやクローゼット)や鞄、財布や新聞などです。
文法のポイント:
“Go” は文章の時制によって変化することを忘れずに。
(過去形は“went through” 、 進行形は“be+going through”)
●Situation 1
John: I can't find my paycheck.
Jill: Did you look in your wallet?
John: Three times! I went through my wallet, but my check wasn't there.
●Situation 2
Lynn: My closet is so full. I'm going to have to clean it.
Ted: You should go through all your clothes and give away the clothes you never wear anymore.
Lynn: That's a good idea. I will have to go shopping after that for new clothes!
●Situation 3
Brent: Yesterday, I was going through some old
photos, and look what I found! Pictures of us from high school!
Scott: Wow, we had terrible hair then.
Brent: Well, at least we had hair! Ha, ha!
BY Susan Taylor (Banff Education Centre講師)
編集後記
「ベア99」の話題でもちきりのボウ谷。全国版ニュースでも大々的に取り上げられていましたが、多くの人にとっては単なるスキャンダルでしかなく、「だから熊は危ない」という安易な考えにつながるような気がします。もともと野生動物の生息地だった所に作られてしまったキャンモアのゴルフ場や住宅地について、次号では、もう少し掘り下げてお伝えしたいと思います。(り)
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