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Issue 215           2005年10月20日更新


 

巨大な雄ムース、国道で轢死

  10月4日(火)午前7時頃、レイクルイーズ付近の国道1号線上で、体重450kgを上回る巨大なムース(ヘラジカ)がトラックに轢かれて死亡。立派な角を持った健康な雄で、ムースはバンフ国立公園内で個体数が少ないとされていることもあり、その死が嘆かれている。一方、トラックの運転手に怪我はなかった。
  この運転手は、ワーデン(森林警備隊)にとても協力的だったという。911に通報し、事故現場までわざわざトラックで引き返した。「かなり動揺しており、また、引き返して死骸がきちんと発見されたかどうかを確認するほどの気遣いがあった。そこまでしてくれる人は少ないのでとても感謝している」とワーデンのSteve Michel氏は述べた。
  「野生動物を守る会」では、野生動物の活動が盛んな日の出と日の入りの時間帯に限り、レイクルイーズとキャッスル山間の国道1号線に時速70kmのスピード制限を敷くことを提案している。この区間には、野生動物が道路へ出ることを防ぐための道路際のフェンスが張られていない。「カナダ屈指の国立公園における生態系の健全性を守るために、パークスカナダがその方針を考え直すべき時が来ている」とJim Pissot会長。
  現在、レイクルイーズ付近の国道1号線二車線化工事が予定されており、その際同時に建設されるフェンスがこの区間で起きる野生動物の交通事故を大幅削減につながることをパークスカナダは期待している。
  発情期で多くの動物が活動的になっている現在、ワーデンは暗がりでの運転に一層の注意を呼びかけている。「動物の活動が活発な上に、暗がりで見通しも悪いという二重の危険性がある。(中略)今の時期、高速道路を走る全ての車に特別な注意を払って欲しい。かなりの数の動物が道路際で活動しているのを見かける」と、Michel氏。
  1990年代に行われた調査によると、40〜60頭のムースが国立公園内に生息している。「この辺りでは、どんなに大目に見積もってもムースの数は多くない。そのため、このような死は全体の個体数にかなり影響する」とMichel氏。 

アウトルック紙より


大型トラック、鹿を避けて川へ

  10月4日(火)午前4時頃、路上にいた鹿を避けようとした大型トラックが、反対車線を横切り、そのまま堤防を越えてボウ川へ入水。幸い対向車はなく、トラックも横転しなかったため運転手に怪我はなかった。
  トラックの積荷は魚類で、RCMP(警察)レイクルイーズ署のJulien Chalifour氏は、「魚が川に戻りたかったようだ」と冗談まじりに話した。トラックの水揚げには、約12時間を要した。

アウトルック紙より

 

「エメラルド・レイク・ロッジ」の森、伐採へ

  ヨーホー国立公園のエメラルド湖湖畔に建つ「エメラルド・レイク・ロッジ」を囲む木々の半数以上が、山火事対策のために来年1月から2月にかけて伐採される。
  1902年に建てられたこのロッジやエメラルド湖の周辺で起きた山火事は、大規模なもので1652年、小規模なものも1851年が最後。このエリアでは、大規模な山火事は300年から350年の周期で起こるとされている。人里はなれた場所にあるため、大規模な山火事が起きた場合消火活動が難しく、ロッジや宿泊客を守るために所有者もパークスカナダに間伐に踏み切るよう働きかけていた。
  この伐採作業のため、来年1月10日から19日までロッジは休業し、ナチュラル・ブリッジからロッジへの道路も閉鎖される。

アウトルック紙より

 

狼の子、列車に轢かれるが無事

  10月10日(月)午前9時半頃、バンフ西ミュールシュー地区の線路で、狼の子供がカナダ太平洋鉄道(CPR)の列車に轢かれるという事故があった。この生後7〜8ヶ月の狼は左後ろ足に怪我を負ったが、歩くこともでき、命に別状はないという。
  パークスカナダの野生動物学者Tom Hurd氏は、「怪我を負っており、怪我した足をかばって行動しているということ以外は、健康な状態にあるようだった」と述べた。
  今回怪我を負った狼は、9月に相次いで二頭の子供が轢死した「ボウ谷」群に属している。成熟した三頭の狼がいるこの小規模な群には、今春に五頭の子供が産まれたとされている。9月に二頭が死んだ際、残り三頭のうち二頭は行方不明になっていると報道されたが、最近になって群と行動を共にしているのが確認されている。そのため、現在「ボウ谷」群には、今回怪我をした狼を含めて六頭が属していると言われている。

アウトルック紙より

 

イヌワシの生態研究、一歩前進

  毎年、ロッキー山脈の遥か上空をイヌワシ(Golden Eagle)が南北へ渡っていることが、偶然カルガリーの野鳥観察家Peter Sherringtonさんとその同伴者により発見されたのは1992年のこと。それ以来、同氏を中心に「ロッキー山脈鷲研究基金」のボランティアによって行われてきた2,000日以上の観察で、過去3年間で南に渡った若いイヌワシの70%が北へ戻ってきていないことが判明した。
  イヌワシは、冬季をアルバータ州南部からアメリカ南西部のニューメキシコ州にかけての地域で過ごし、春にアラスカに渡って繁殖期を迎える。ロッキー山脈はその11,000kmの渡りの通り道になっている。
  同団体は、カナナスキスにある観測所で、毎年春と秋の渡りの時期に日の出から日の入りまでボランティアを配置し、ロレット山とローヒード山の上空を飛ぶ肉眼では見ることが難しいイヌワシを望遠鏡で観測している。1990年代は、毎春平均して4,000羽が記録されていたが、過去3年間は2,600羽にまで激減した。
  科学的にまだ解明されていない何らかの理由から、北米に生息する100,000羽のうち60,000〜70,000羽が毎年南北へ渡り、残りは全く渡りを行わない。「イヌワシの全体数の60〜70%が春に北へ、秋に南へ向かう。その中の70%の若い鳥が春に戻ってきておらず、冬の棲息地で死んでいる。(中略)死亡率は通常35〜40%だから、これはその倍にあたる。なぜこんなことが起きているのか。解明はとても難しく、このことに気付いたのもまだつい最近のこと」とSherrington氏。
  「何が起こっているかわからないが、明らかに悪い兆しだ。アメリカシロヅルの時の『もう六羽しか残っていない! どうにかしなければ』などということは避けたい」と述べた。
  この調査報告を受け、2002年6月にカナナスキスでG8サミットが開かれた際に設立された「G8レガシー」が資源的な協力を申し出た。「G8レガシー」は、カナナスキスでのボランティア用の宿泊施設やSherrington氏が集めたデータの分析に必要な専門家などを提供。その他にも、「G8レガシー」が協力したことにより、同団体の信用性や評価が高まり、他にも協力者が現れることが期待されている。  

アウトルック紙より

 


 


 

 

31日はハロウィーン

 

  子供から大人までが仮装して楽しむハロウィーンが近付いてきました。当日は夕方から、それぞれに衣装を着た子供達が住宅地を回ります。"Trick or Treat!"(お菓子くれないならいたずらするぞ)と言われたら、"Happy Halloween!"と言ってお菓子をあげるのが習わしです。お菓子を用意していない人は、あらかじめ玄関や家の電気を消しておくといいでしょう。
  かわいいゴーストや魔女を見に出かけるのもよし、自ら仮装してパーティーやバーの仮装大会に出場するのもよし。それぞれ安全なハロウィーンを楽しんでください。

巡回日本映画祭

 

日時:11月4日(金)、8日(火)、開場17:30 (両日とも二本立て)
場所:カルガリー大学サイエンスシアター148

 在カルガリー日本国総領事館は、カルガリー大学ドイツ・スラビック・東アジア学部の協賛及び国際交流基金の協力により、巡回日本映画祭を開催します。公開されるのは、以下4本(全映画英語字幕付き)。入場は無料。詳細は、総領事館ホームページまで。

www.calgary.ca.emb-japan.go.jp

『どら平太』 4日18:00上映
  2000年、 市川昆監督・役所広司主演、111分、PG
『ウォーターボーイズ』 4日20:30上映
  2001年、矢口史靖監督・妻夫木聡・竹中直人・榎本明 出演、

  日本アカデミー賞優秀作品賞受賞作品、91分、PG
『黒い雨』 8日18:00上映
  1989年、今村昌平監督・市原悦子・田中好子・北村和夫出演、日本アカデミー賞

  最優秀作品賞・カンヌ映画賞高等技術委員会賞受賞作品、123分、14A
『座頭市』8日20:30上映
  2004年、北野武監督・浅野忠信出演、ベネチア国際映画祭監督賞受賞作品、

  101分、14A

キャンモアでスキーなどの中古販売

 

日時:10月29日(土)14:00〜18:00、30日(日)9:00〜13:00
場所:1140 Railway Avenue

  毎年行われるスキーやスノーボードなどの中古販売会「スキー・スワップ」。バンフではすでに開催されてしまいましたが、キャンモアはこれからです。スキー用品だけでなく、アイススケート靴や冬の衣料品など、新品も含めさまざまなものが売りに出されます。早く行けばそれだけ品数も多いため、掘り出し物を狙う方は29日13:00からのアーリーバード・セールにどうぞ。こちらの入場には、前日17:30から売り出される入場券が必要となります。

 

日本人女性による古布アートの展示会

 

  今月末までバンフ図書館では、地元日本人アーティスト、マホ・ハセガワ・フォスターさんによる展示会が行われています。内容は、古い着物や帯などの古布を使ったタペストリーなど。その他、デリケートなデザインが内側に施された羽織二着も展示されています。
  なお、興味のある方は11月1日以降、フォスターさんのキャンモアの自宅でも作品を見ることができます。連絡先:678-2110
 

 

バンフ山岳映画祭

期間:10月29日(土)〜11月6日(日)

  バンフ山岳祭の一環として行われるマウンテン・フィルム・フェスティバル。山、自然、アウトドアをテーマとした世界中からの映画が多数上映されます。
  目玉は、バンフ山岳映画祭受賞作品が上映される6日19:30からの授賞式プログラムや、手に汗握る過激アウトドアスポーツ映画をまとめた1日19:30からの"Radial Reels"プログラム。チケットや上映スケジュールは、ウェブサイトまで。

www.banffcentre.ca/mountainculture/2005/festivals/film/default.htm
 また、29日11:00〜19:30と翌日11:00〜15:30に行われる山、自然、アウトドアをテーマにした工芸品などのクラフトバザーもお見逃しなく。ユニークなクリスマスプレゼントを探すのにぴったりです。

線路横断には踏み切りを

 

 

  線路沿いにフェンスなどがなく、通過する列車の本数も比較的少ないカナダでは、踏み切り以外の場所で線路を横断する人が少なくありません。特に、町が線路で分断されているキャンモアではよく見かける光景です。
  しかし、踏切など決められた場所以外で線路を横断することは、厳密には私有地に立ち入ることになり、違法行為として罰金も定められています。現在キャンモアでは、鉄道会社のCPRによる取締りが厳しくなっています。

 

 

キューブヘルプラインから 〜出発の季節、荷物制限にご注意〜

 

 

  忙しい観光シーズンも終わりを告げようとしています。10月後半から11月は、バンフから日本へ帰省する方や休暇旅行に出る方などの旅立ちの季節です。今回は、その方々へ、飛行機を利用される際の荷物制限の変更についてのご案内です。

エア・カナダは32kgから23kgへ
  エア・カナダは、10月12日以降に同航空機利用の際の荷物制限を一部の路線で変更しました。今まで、国際線エコノミークラスでは、最大32kgの荷物を2個まで無料で預けることができました。しかし、今回の変更により今後は、最大23kgのものを2個までとなりましたのでご注意下さい。これを越えるものは、割高な超過料金の対象になります。なお、この重量上限変更は、まだ一部のアジア線(日本を含む)には適用されていないようですが、いつ急遽適用されるかわかりませんので充分気をつけて下さい。
  なお、10月17日現在では、日本航空(JAL)、ノースウエスト航空(NW)ともに同様の変更はありません。JALは最大32kgの荷物を2個(サイズに規制あり)、NWは最大50ポンド(約22kg)を2個までとしています。
  通常、荷物制限は、一般向けに発表がないまま急に変更され、利用路線や行先により規定が異なる場合があります。出発前に各航空会社のウェブサイトなどで最新の情報を入手することをお勧めします。
  なお、アメリカを経由する便の預け荷物には、鍵をかけないよう呼びかけられています。これは、テロ対策の一環として、ランダムに乗客の荷物を開けて中味の点検を行っているためです。鍵がかかっている場合には、鍵を壊されることがあります。壊された鍵やスーツケースの補償は一切ありませんのでご注意下さい。

遠藤千晶


 

 


 


中古車購入に失敗しないために

  車の購入に関して日本とカナダではかなりの違いがあります。特に中古車は個人売買も多く、ある程度の知識がないと購入後にトラブルになることもよくあります。これから冬に向けて車の購入を考えている人がいると思いますが、参考にしていただければと思います。

車選びのポイント
  まず一番大切なのが入念な下調べです。車種、年式、走行距離、相場などは事前に知っておくべきでしょう。相場より安すぎる車は何か理由があるので気をつけて下さい。特に個人売買で購入した中古車は、後にある程度修理費が発生することを前提に、走行距離が少ないもの、年式が新しいものなどを選んだほうがいいと思われます。個人売買でなく中古車販売業者から購入する場合も、業者だからといって安心せず、きちんと選びましょう。
  年間の平均走行距離を計算してみるのも一つの基準になると思います。そのほか買い物のため街中だけしか走らないのか、アウトドアに活用するのか、雪道、スキー場に頻繁に行くのかといった、車を使う用途や燃費も購入のポイントになります。車種などによって保険の掛け金も変わるので事前に保険会社に見積もりを出してもらうといいでしょう。その他にはジャッキ、スペアタイヤなどの備品の確認も必要です。
  また、個人売買の場合、購入前になるべくお勧めしたいのがインスペクション(最低限の車の検査。車検はフルインスペクションと呼ばれる)です。特に10年以上前の車には、これがないと保険がかけられません。保険のない車で公道を走ることは違法です。買ってしまった後にインスペクションに通らず、膨大な修理費がかかってしまうという事態を避けるためにも、お金を払ってでも買う前に売り手にインスペクションに出してもらうことをお勧めします。


購入の手順
1.購入時に、"Bill of Sale"という用紙(売り手が用意)にサインをし、それをもらう
2.インスペクションを通し、その書類をもらう
3."Bill of Sale"と "Inspection Report"を持って保険会社に行き、保険を掛ける
4.保険会社からの書類を持ってRegister Office に行きナンバープレートを購入

購入後の注意点
  車を長持ちさせるためには各種点検が必要になります。まずはエンジンオイルチェンジを定期的にすることです。オイルの種類にもよりますが、3ヶ月か5,000kmを目安に行うといいでしょう。タイヤの空気圧を定期的にチェックすることも必要です。特に長距離・ハイウェイを走る前にはなるべく行いましょう。冬前にはタイヤの溝が残っているか、ひび割れていないかなどの点検が必要です。古い車はチューンアップ(車全体の点検・修理)をおすすめします。特にバッテリーなどは冬が来る前にしっかりチェックしましょう。

その他注意点
  車の事故や故障を避けるため、長距離を運転する場合、疲れていたり、悪天候の時などは絶対に無理をしない、不具合を感じたらすぐに点検・修理を行うなど普段から注意を払うことが必要です。
  あると便利なものとしては、バッテリーが上がってしまった時のためのジャンパーケーブルや、寒い時にエンジンが凍らないようにする際に重宝する長めの延長コードなどがあります。

イワ犬&こてつ


森をさまようハンティングの旅 〜ニューブランズウィック州〜

 

 

 カナダのニューブランズウィック(New Brunswick)州は、地図で見ると大西洋岸に位置し、アメリカ合衆国と隣り合わせにある。広さは北海道ほどで、人口は約75万人、カナダ唯一公認のバイリンガル(二カ国語)州だ。英語またはフランス語を母国語とする人々が住み、道路標識も二カ国語表示になっている。
 飛行機でマンクトン(Moncton)に到着したのは、10月半ばのある夕方。空港で連れの伯父様達が出迎えてくれた。「ボンジュール!」とフランス語での会話が始まった。私は紹介されて輪の中に加わったもののフランス語が解らず呆然とした。すると一人の伯父様が「Do you speak English?」と私に訊ね、英語での会話に切り替わった。
  ニューブランズウィック州で驚かされたことのひとつに、言葉の文化がある。フランス語を母国語とするほとんどの人々が二つの言語チャンネルを持っている。フランス語で会話の途中に英語圏の人が加わると、すぐに英語での会話に切り替える。その順応性と他者への気遣いは、バイリンガル州ならではのものかもしれない。
  マンクトンから目的地であるエドモンストン(Edmundston)へバスで向かった。エドモンストンには、フランス語を母国語とする約2万5千の人々が住む。町の南端に沿ってセント・ジョン川が流れ、その対岸はアメリカ・メイン州だ。橋を渡って簡単に国境を越えることができるので、買い物のために往来するアメリカナンバーの車も多く見かけられる。
  カナダ国家ができる以前に、当時土地を占領していたイギリスと対岸のアメリカ間で領土をめぐる争いがあった。その面影を残す展望台が今も町の中に建っている。

男たちは、冒険に狂う大きな少年?
 いつの時代も戦争は絶えない。そこに直面するのは、ほとんどが男達だ。映画に関しても、男性はロマンスよりも銃や剣を使った戦争映画を好む傾向が強い。カナダ人に関していえば、もともと北米人は狩猟民族であり日本人は農耕民族である。北米の人々は個人主義が強く、日本人は和を大切にするというのも元来の民族性からなるといわれる。
 農業は知っていても銃とはまったく無縁の私が、男達に連れられてハンティング(狩猟)の旅に出ることになった。エドモンストンの町から車で40分ほど走り、連れの友人P氏の別荘に到着。P氏には妻と幼い子供達がおり、その日は自宅で子供達の世話をしている妻の機嫌が良くないとつぶやいていた。私は彼女の気持ちが解るような気がした。休日に子供をほうって、外で狩猟を楽しもうとする夫の存在を快く思う方が難しいに違いない。


 狩猟には風や寒さに負けない服装が必要で、スキーパンツと厚手のジャケットを着て、その上に州で義務づけられた黄色のベストをはおった。森の中で動物や鳥と間違えた誤射を避けるためだ。
 ヘルメットをかぶり、ATVと呼ばれる狩猟用の四輪バイクの後部座席に乗せられた。日本では見たことがなかったが、<SUZUKI>製だった。私たち2台のバイクは、ハイウェイと呼ばれる山の砂利道を猛スピードで走り抜けた。そのあと森の中へ入って行った。狭いトレイルだ。緩い速度で走っても、木々の枝が顔に当たった。傾斜も激しく、時々バランスを取るために体を前後に動かしたり、枝を避けるために頭を下げたりしなければならなかった。まるで遊園地のジェットコースターに乗っているような感覚だった。
 バイクで走りながら獲物を探した。10月下旬は、パートリッジと呼ばれる鳥が狩猟を許されていた。辞書を開くと、パートリッジはイワシャコ・ヤマズラの類で米国のエリマキライチョウとも書かれている。狩猟は、時期や場所によって許可される動物の種類が異なり、そのルールを守らなければならない。ちなみに狩猟をするには許可証を買わなくてはならず、地元の人は約20ドル、州外の人は約70ドルの料金だ。


 連れが急にバイクを止めた。目の前を見るとパートリッジが歩いている。おしゃれにブローしたようなヘアースタイルで、その頭をピクピクと前後させながら獣道を横切るところだった。連れは即座に銃を手に取り、「バーン」という大きな銃音とともにそのパートリッジを倒した。
 一瞬の出来事だった。生きていた野鳥を殺した。その衝撃に身動きが取れずに、私は氷のように身を固めた。私たちの住むバンフでは、国立公園という理由から蜘蛛でさえ殺すのを避ける。それもその夏、私はバードウォッチングをして野鳥の美しさに感動したばかりだった。それなのに今度はその野鳥を殺しているのだ。
 倒れたパートリッジのお腹がピクピク動いていた。男達はそれを見向きもせずに、すかさずもう一羽のパートリッジを追い求めて山の中に歩いていった。パートリッジは、番(つがい)または家族で群がっていることが多いらしい。私はそのパートリッジに近づいてカラダをなでた。まだ生温かかった。茶色いグラデーションの美しい羽を持っていた。しかし、その命も絶ってしまった。番だとしたら、もう一羽のパートリッジはパートナーを亡くして悲しんでいるに違いない。なんて残酷なことをしてしまったのだろう。私は感傷に浸りながらカラダをなで続けていた。
 まもなく、もう一羽のパートリッジを見逃してしまった男達は、かなり悔しがりながら戻ってきた。私は口には出さなかったが、「よかった」と心からほっとした。これ以上美しい命を絶やしてはいけないのじゃないかと思った。

ハンティング2日目。感傷よりも冒険心?
 狩猟2日目、新たなパートリッジを探しながら森の中をバイクでさまよった。小川や沼の中もドロを飛ばしながら走りぬけた。その途中でビーバーの住処を多く見つけた。ビーバーは木々を倒して住処やダムを作る。夜中に活動するので見るのは難しいが、かなり頭のいい動物だといわれている。テレビのニュースで、ビーバーが盗難された札束で住処を作っていたという映像を観たことがある。盗んだ犯人が札束の入ったバッグを森の中に隠した。それをビーバーが見つけて利用したのだ。ビーバーにとって札束は紙幣ではなく、ドロや小枝のような素材でしかなかったのかと思うと何だかおかしい。
 森は広く、中は迷路のようで時々道と方向を失った。そんな時に頼りになったのは、コンパスと太陽、または小川の流れだった。迷った挙句に、連れのお父さんの小さな隠れ家を見つけた。狩猟や冬のスノーモービルを楽しむために、森の中に自分の手で建てられた。すべてが手作りで、とても狭い空間の中に小さなベッドが二つと、キッチン、戸棚、物干し竿までがきちんと揃い、所々に工夫がほどこされていた。彼の奥さんは訪れたことがない。「男の人は、時々現実社会から離れた空間が必要だ」と聞いたことがあるが、それが解った気がした。狩猟に夢中になる大きな男達は、まるで少年のようだ。
 

 そんなことを考えながら、ふと木々を見上げると、パートリッジらしきものが見えた。「アレ、パートリッジ?」と彼らに聞いた。「あんな高い枝には止まるはずはないさ…パートリッジだ!」と、彼らは急いで銃を構えて狙い撃った。だが、その前にパートリッジは空に舞い逃げ、森の中へ降りていった。カサカサと落葉の上を歩く音がした。パートリッジは枯葉と同じ色を持つので、見つけるのがラクじゃない。それでも彼らは探し求め、また射撃。大きな銃音が2度響いた。
 二羽のパートリッジが落葉の上に倒れていた。思わず「やったね!!」と叫んだ後に、昨日とは変わっている自分に気づいた。悲劇に麻痺してしまったのか、何よりも獲物を獲得した興奮の方がはるかに大きかった。それは勝利の興奮と似ているのかもしれない。爽やかな気分だった。狩猟に夢中になる大きな少年の気持ちを感じ取った気がした。

 数時間後、それらのパートリッジは、P氏の手で瞬く間に裸にされた。毛と頭、脚などをすっきりと剥ぎ取られて胸肉だけが残された。あまり気持ちのよい響きではないかもしれないが、日頃私たちが食べている鶏肉にも元々は羽も頭もあったのだ。翌日、私はその胸肉をから揚げに料理した。不思議なもので、食事中は食べることだけに夢中になり、生きていた頃のパートリッジを思い出すことはなかった。
 ハンティング(狩猟)=「野生の動物を殺す」という意味でしか理解していなかったが、体験して初めてそれ以上に意味のあることを知った。森の中を探検するという新鮮さ、獲物を追求するという面白さ、そして自らの手で探し求めて殺した獲物を自ら食べるという原始的で根本的なルール。生きるための弱肉強食という自然のルールに、悲劇を越えた底知れなく強いエネルギーを感じる。それは、日頃の食生活で感じることは難しい。

 文・写真  岩崎智美

 

 

 Let's Talk Like Canadians!!
〜英会話ワンポイントアドバイス〜


For now = とりあえず、今のところは
「今の時点では〜です」という意味を持つこのフレーズは、「今は〜だけれど、この先(近い未来、あるいは遠い将来)はその状況が変わるかも知れない」というニュアンスを含みます。 

●Situation 1 
Waiter: Would you like another glass of wine?
Mika: No, thanks. I'm fine for now. 

ここがポイント: ミカのグラスにワインが少ししか残っていないのを見たウェイターは、彼女に「ワインのおかわりはいかがですか?」と聞きます。この時点でミカは「今のところは結構です。」と答えます。答えに “for now”と付け加えることによって、「今は要りませんが、もう少し後でワインのおかわりを頼むかもしれません」というニュアンスが生まれます。 

●Situation 2 
Tom: Are Scott and Carrie going to move now that she is pregnant?
Donna: For now they will continue to live downtown, but after the baby is born they might decide to move to a quieter place.

ここがポイント: スコットとキャリーは今のところ、自分たちが住んでいるところに満足しています。しかし今から6ヶ月、あるいは1年先にはもしかしたら新しい土地に引っ越すかもしれません。

●Situation 3 
Sally: How is your new job, Dave?
Dave: It's fine for now, but the boss is rude and mean, so I might change jobs soon.
Sally: There are a lot of jobs available now. It will be easy to find another job if you can't stay at your current job. 
 

BY Susan Taylor (Banff Education Centre講師)

 

 

 

 

 

「スキー場へ行こう !」
〜シーズンパス料金、その他のご案内〜


 特別割引価格で先行販売された「アーリーバード」シーズンパスを購入できなかった方のために、今後の通常価格と、まだまだ割引価格で購入できる「アンバサダー」シーズンパスなどについてご案内します。

●「アンバサダー」パス
 「アンバサダー」パスは、バンフ、キャンモア、レイクルイーズなどのボウ谷地区に住むローカル向けのもので、スキー場やバンフの町に関する約2時間の講習(英語)を受けることを条件に、通常価格より$200安く売られています。ローカルとして、バンフやスキー場の基本知識を知ってもらい、日常で接する観光客にスキー場や町の情報を広める「大使」(アンバサダー)の役割を果たしてもらおうというものです。
 このタイプのパスは、ビッグ3(ノーケイ、サンシャイン、レイクルイーズの3ヶ所共通)のフルウィーク($1149)とミッドウィーク($919)しか販売されていません。また、講習はパスの発行から2週間以内、またはシーズン開始が2週間後を切っている場合は開始日までに受けなければなりません。詳細は、バンフタイムズ「インフォルーム」でもご案内しています。(火・木・土17時〜20時)

●バスのシーズンパス料金
 シーズンパスを購入したけど車では通えないという方のために、各スキー場までのシャトルバスがシーズン中乗り放題のバスパスも販売される予定です。販売予定日は未定ですが、ビッグ3用のものは$670程度となる見込みです。発表され次第ご案内する予定です。

●シーズンパスの返金オプション
 最後にお知らせしたいのが、シーズン前や開始後にケガをしたなどでシーズンパスをキャンセルしなければならなくなった場合に、返金を保証するオプションです。パスと共に$25〜$47の返金オプションを購入しておくと、安心かもしれません。購入していない場合は、返金は受けられません。
 返金は、ケガと、現在の勤め先の都合で他地の支社や支店へ転勤しなければならなくなった場合のみ可能。どちらとも医師や勤め先から証明の書類が必要です。返金額はパスの使用度や使用場所により計算され、遅くても3月1日まで何らかの返金が受けられるようになっています。(レイクルイーズとビッグ3の場合)

<シーズンパス大人料金>
●ノーケイ www.banffnorquay.com 
 フルウィーク........................$599
 ミッドウィーク(月〜木+ナイター)...$479

●サンシャイン・ビレッジ www.skibanff.com 
 フルウィーク........................$849
 ミッドウィーク(月〜木).............$679


●レイクルイーズ www.skilouise.com 
 フルウィーク........................$939
 ミッドウィーク(月〜木).............$749


●ビック3(上記3箇所全てに通用)www.skibig3.com
 フルウィーク........................$1399
 ミッドウィーク(月〜木).............$1119

詳細や購入は、“Banff Ski Hub”まで。 
 119 Banff Ave. / Tel 403-762-4754

 


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