ハイテクウェアー
数年前、定価600ドルするジャケットを買った。実際は、シーズン終わりのセールで400ドルぐらいだった。
早速その自慢のジャケットをスキー場で着ていたら、スノーボードを何年もやっている友人の1人が声をかけてきた。
「それ、高いウェアーですよね、それ着ていたら、スゲー暖かいんでしょうね。」
それを聞いて思った。「全然違う!」である。
今回は、寒い冬をいかにアウトドアーで快適に過ごすかの話…。長いコースを一気に滑り降る。そして、リフトに乗り込むと、スキー場で快適に過ごせる着こなしをしているかどうかが分かる事がある。長い長いリフトの半ばでガタガタと体が震えてくる人と、寒いには寒いがそうでもない人。この差はどうして出てくるのだろうか?
体が冷えるのは自分自身の汗が原因なことが多い。激しい運動をした後、じっとしていると体から出た汗が冷えてそれが体温を下げる。つまりリフトの上でガタガタ震えない為には汗を出来るだけ早く乾かせばいいわけだ。
アウトドア用の服は、「水分をいかにして早く外に出すか。」この一点を中心にして作られているといっても過言ではない。肌に近い方から説明すると、まずは下着。一番ポピュラーなのはTシャツではないだろうか。しかしながら、これはいけない。綿は汗をよく吸うのだが、とにかく乾きにくい。濡れたTシャツが冷えて背中にべっとり張り付いたらどうなるか、簡単に想像出来る。Tシャツにくらべ、なんとかゴニアとかなんとかフェイスの下着は化学繊維でできている。水分をすばやく吸い取り、すばやく乾かすという最新の技術が満載である。ただのTシャツより高価なのもうなずける。これらの製品は身に付けるとそれだけで暖かいわけではない。ただ、水分をすばやく吸収し、発散させているだけである。注意点としては、肌にじかに着ること。Tシャツの上に着ても何の効果も無い。
その上に着るものは一般にインサレーションと呼ばれる。これは保温の役割をする。これは水を吸わなければ吸わないほどいい。つまり綿のトレーナーはアウトだ。下着と違って汗を吸い取る必要も無い。現在の主流はフリースだろう。軽くて動きも制限されない。寒さにあわせて薄い物や厚い物を重ねて調節しよう。一般的に薄い物を何枚も重ねた方が暖かいといわれる。
最後に一番上に着るもの。こちらでは「シェル」と呼ばれる。今の所、最高峰とされているのが、誰でも知っている「ゴアテックス」のジャケットだ。ゴアジャケなんて呼ばれたりする。このゴアテックスというのは素材になる生地のことである。この生地、気体は通すが液体は通さないという優れものである。
その結果、汗をかいても蒸れない。他にも何とかテックスというのがよくあるがそういった製品も、やはり気体は通すが液体は通さないというのが売りである。但し、まだゴアテックスを越える製品は出ていないようである。
これらのジャケットは高い。高い物では600ドル以上する。しかしながら、これらの製品にはハイテク技術が惜しみなく使われている。雨が降ったら一番濡れる肩には縫い目がこないように裁縫に工夫が凝らしてあり、縫い目には全てゴアテックスによるテープが張ってある。ポケットのチャックにも水が入ってこないようにぴったり閉じるようにゴムで加工してあったり、とにかく水が入ってこない工夫が凝らされている。そのほかにも両手を上げても手首が出ないように腕の部分が長めに作られていたり、とにかく至れり尽せりである。高価なのもうなずける。ただこれを着たら暖かいわけではない。ただ、水が入ってこないけれども、体から出た水蒸気は出て行くというものである。取り扱いの注意としては、洗濯する時に必ず説明書どおりにしょっちゅう洗濯することである。クリーニング屋に出す必要は無い。
話をまとめると、とにかく綿はダメ。そして高いジャケットを着てもぜんぜん暖かくない。ただ、蒸れないだけです。 と、色々書いたが、僕はゲレンデでいつもTシャツ・トレーナーです。なぜなら寒くなったらロッジに帰ればいいだけだから。この一言が全部書いてきたことを無にしたとも言えるが…。永作まさかず
筆者のホームページ