Columns

 

 

2002年8月下旬号

ゆっくり歩こう
〜グリズリーの独り言〜 
 

 1995年、僕はまだ4歳だった。他の場所では僕より年上のグリズリーが怖かったから、モレーンレイク辺りで生活しようと決めたんだ。僕は一生ここで行動し、そのうちステキな相手を探すつもりだった。でも、ここには僕の知らない生き物がたくさんやって来る。奴らはいつも湖から2本足で登ってくるんだ。不思議な匂いがするし、奇妙な声まで発してる。テンピークスを見ながら頻繁に止まるし、次から次へとやって来るんだよ。その度に僕の行動も邪魔されちゃう。いったい奴らって何者? 
 あるとき僕は勇気を出して奴らに近づいたんだ。怖かったけど2体だけだったし、距離もおいてみたからね。僕は立ち上がって強そうに見せてみた。ちょっぴり声も出してみた。とにかく必死だったよ。奴らはすごい形相で、ゆっくり後ずさりしていった。結局なんにもしてこなかったけど、やっぱり正体はわからずじまい。だから、その後も何度か同じことをやってみたんだ。でも、怖いから6体以上のときはやめといたよ。だいたい音と匂いでわかるんだ。奴らは僕を見ると地面に伏せたり、走って離れようとする。でも、あれなら僕のほうが断然早いね。そういえば、強烈な匂いのスプレーを僕に向けた奴もいたなぁ。結局僕には届かなかったけど、あの匂いは結構好きだな。不思議なことばかりだけど、ひとつ分かったことがある。僕が奴らに近づくと、翌日からは1体もいなくなるんだ。だから、しばらくは僕も安心して行動できる。そうそう、97年は雪が多かったから、7月に食べ物を探そうと湖まで下ったんだ。そこには奴らがたくさんいてびっくり! でも、危険ではないと感じてたし、とにかく目的は食料だったからね。僕も焦ってたから無視してたけど、離れる奴もいれば近づいてくるのもいた。食べ物みたいなものを投げた奴もいたなぁ。

 これからの季節は、僕の好物のベリーがたくさん。冬眠中にお腹がすかないようにいっぱい食べなきゃ。でも、奴らがたくさん来ると僕の行動範囲も狭くなっちゃうよ。頻繁に邪魔をされたら、そりゃ僕だって怒るかも。99年からは大抵6体以上の群れで来るんだけど、あまりにもその数が多くてマジ切れしそう。いっそのことやっつけたほうがいいのかも。それとも、プライドを捨てて奴らと同化したほうが楽かなぁ?

 てなことを言っているかはわかりませんが、繊細なグリズリーへの配慮をお忘れなく。


田中康一



ボウ川のカヌー下り
 
 

 キャッスルジャンクションのほとりを流れるボウ川から出発し、バンフへ到着するカヌーくだりは全行程約6時間ほど。先日、同僚のマークに「ボウ川のカヌー下りは楽しいよ」と言われ、先週早速ボウ川カヌー下りに挑戦してみた。

 キャッスルジャンクションでハイウェーを下り、橋を渡ったすぐの駐車スペースに車をとめた。車からカヌーを下ろし、川へ浮かべる。まずは初心者の私からカヌーへ乗り込む。川の上にプカプカ浮かぶ不安定なカヌーに足を下ろすのはなんだか足元がおぼつかず、川の中へ落ちるのではないかとちょっと不安だ。次にマークが乗り込む。彼は体がでかいため、彼がカヌーに乗ると船が沈むのではないかとちょっと心配してみたが、彼も無事乗船。
 
 午前11時、真っ青な空の下、私たち二人を乗せた赤いカヌーは花がちらちら咲きほころぶ森林地帯の中、ゆっくりゆっくりとバンフへ向けて出発した。
キャミソールに短パン、ビーチサンダルの私の格好は、「ちょっと寒いかなー」と思ったりもしたが、7月のギラギラ輝く太陽は私の心配をよそに、容赦なく私たちの肌をジリジリと焼き、白く混濁したボウ川は太陽の反射を受けてキラキラ光り、パドリングをしながら進む私たちをやさしく迎えてくれたのは、頬を撫でて通り過ぎるやさしい風であった。
 普段とはまったく違った感覚に、少々私は興奮気味だった。日常生活で普通に歩いたり、走ったり、車を運転したりするときなどはしっかりと自分の体が支えられているという感覚があるのだが、川に漂うカヌーに乗っているとなんだか体がふわふわしていて頼りなく、川の流れを見ていると自分は進んでいるような気がするのに陸を見ていると実は止まっていた、というなんとも不思議な感覚に陥るのだ。「地に足がついていないというのはこういうことか。」と改めて思ったりもする。
 いくつかカーブを通り過ぎていくと、突然目の前に大きな角を持った3頭の雄のエルクが姿をあらわした。彼らは川の真中の島でランチを摂っていたらしく、頭を下に向けて無心に草を食べていた。そのうちの一頭が私たちに気付き、「俺たちのテリトリーに何しに来たんだ」と言わんばかりに鼻をブハブハさせながら私たちが通り過ぎるのをじーっと見つめていた。エルクに睨まれながらさらに進むと、後ろに座っているマークが突然空を指差し何か叫んだ。見上げると、大きな翼を持った鳥が上空を旋回しながら悠々と空の散歩を楽しんでいるようだった。今度はハクトウワシだ。きっと彼も今日のランチを探しているのだろう。

 しばらく進むと、人がカヌーを担いでいる黄色い看板が目に入った。マークにたずねると、「岩や石などがごろごろしている浅瀬なので、カヌーでは通過できないところ」という意味らしい。しかし、今回は水量が非常に多いということなので、カヌーでそのまま通過することになった。見ると川の表面が白く波立っていて、所々岩が突き出ており、通過するのが困難そうだ。まずはそこを通過する前に川の端の波が穏やかなところで待機し、マークがルートを確認する。そこから船の左部分を大きく強く漕ぎ、川の右端から攻めていく。カヌーは大きく上下に揺れ、波は前から横から押し寄せ、カヌーを持ち上げひっくり返そうとする。その度に私は頭から水をかぶり、ずぶぬれになり、後ろにいるマークは「バランスをとれ」と叫んでいる。船の中に押し寄せた水は私の足元にはまったくたまらず、すべて体重の重いマークのほうへと溜まっていったらしく、彼は舵を捕りながら水をかき出し、その上バランスもとらなくてはいけないというかなり大変な目に合っていたらしい。そんなこととは露知らず、マークに言われたとおり、カヌーの両ヘリをつかみバランスをとりながら急流の中ボウ川の洗礼を浴びながら上下に揺れるカヌーを半ば興奮しながら声をあげて楽しんでいた。急流が過ぎて後ろを振り返ると、体のでかいマークが小さな桶を持って必死に自分の足元にたまった水をかき出していた。

 急流を過ぎてからは、しばらく落ち着いた流れが続いた。川の流れとともに左手にはCPRの線路が林の中から見え隠れしており、その電柱には所々オスプレーが巣を作っていた。巣の中には親鳥と雛鳥がおり、餌を運んでくるオス鳥を待っているのであろうか。トランスカナダハイウェーの橋をくぐり抜け、しばらくすると川の真中にビーチが広がっていた。その島でカヌーを止め、一休み。叢の中に入りトイレ休憩をすると、今までちっとも気にならなかった蚊の大群が一気に押し寄せてきた。手足や顔、頭やお尻に蚊が一気に群がりこれはとてもとてもトイレどころではない。被害が少ないうちに早いとこ立ち去ろうとビーチに戻ってくると、すでに手足や肩やお尻まで蚊に刺されていた。全く、レディーのお尻に食らいつくとはなんて礼儀知らずな蚊なんだ。持参したキンカンを刺された個所に塗り、オフスプレーを体全体にふりまいた。
 このビーチの横からは、一本の川が注ぎ込んでおり、ボウ川とは違って底に ]がっている石が見えるほど透明で、まるで日本の清流を見ているような緑色をしていた。この川は、サンシャインから流れ出しているヒーリークリークだそうだ。ちょうどこの川とボウ川が交わるところは、色が2色にはっきり分かれており、再びボウ川へと進むと白く混濁した川に戻った。
 ここから先は湖かと思うほど水面が穏やかで、パドルで漕がなくては進まないのではないかと思うほど流れがゆっくりになった。川が蛇行するたびに、ランドル山とカスケードが交互に姿をあらわし、写真を撮りながらゆっくりした船の上を楽しんだ。左手奥には国道一号線。手前にはCPRの線路が続き、もうすぐバンフの町だと思わせる風景になってきたところでカーブした川を進んでいくと、もうすでに目の前にはバンフの町が広がっていた。
 到着時間午後5時半。全行程6時間半。しかし6時間半もカヌーの上にいたとは思えないほど短く感じたボウ川カヌー下りだった。
 次の朝目を覚ますと、両方の腕は筋肉痛になり、6時間半も硬い椅子に座りつづけていたお尻はズキズキ痛んだ。蚊に刺された跡はまだなお痒く、日焼けした肌はひりひり痛んだ。しかし初めてのボウ川カヌー下りは病みつきになりそうなくらい私の心の中に焼きついた。


志乃



バンフ周辺、見所へ行こう

夏が終わる前にこれだけは 

 100年ぶりの好天気が終わり、朝夕がひんやりとする日々になりました。こうなるとバンフの夏は悲しいかな、もう終りが近いのでは?といっても8月中はまだまだ日は長く、日中の気温は高いので、いろいろ遊びは豊富です。ただし9月2日(月)はレイバーデーの祭日で、この日を境に終了してしまう夏のアクティビティーが多いのでお忘れなく。バンフの夏をたっぷり満喫してから、情緒豊かな美しい秋を迎えたいですね。

<乗馬>
バンフでも簡単に乗馬ができます。コースは1,2,3時間など色々あり、景色は最高です。


<激流下り>
 メリル・ストリープとケビン・ビーコン主演の「激流」という映画の舞台ともなった、キッキングホース川のラフティング。スリル満点、思い切りアウトドア・アクティビティーとして人気が高いです。


<ミネワンカ湖の素人釣り>
ミネワンカ湖上のボート釣りです。ガイド付なので釣りの未経験者でも問題なし。主なキャッチはレイクトラウトです。

*上記アクティビティーに関しては日系商工会加入旅行会社で取扱っています。 http://www.bjcc-net.com



カナダで読むバイブルストーリー 

 
 

  8月8日、教会の方に誘われてヒーリーパスへ行ってきました。同行された方々の足を引っ張って引っ張って4時間もかけて山道を登っていきました。広々と開けたところに出てきたときには、きれい!かわいい!と声を上げざるをえない光景でした。夏のほんのわずかな時に咲き乱れる花々は、美しく可愛いばかりでなく、強さ・たくましさをも私に伝えてくれました。帰りには、かなたに熊との遭遇もありまして楽しい一日でした。こんな日に思い浮かべる聖書の言葉・・・

 ですから、食べ物や飲み物、着物のことで心配してはいけません。今、現に生きている、そのことのほうが、何を食べ、何を着るかということよりずっと大事です。
空の鳥を見なさい。食べ物の心配をしていますか。種をまいたり、刈り取ったり、倉庫にため込んだりしていますか。そんなことをしなくても、天の父は鳥を養っておられるでしょう。ましてあなたがたは天の父にとって鳥よりはるかに価値があるのです。
また、なぜ着物の心配をするのですか。野に咲いているゆりの花を見なさい。着物の心配などしていないでしょう。それなのに、栄華をきわめたソロモンでさえ、この花ほど美しくは着飾っていませんでした。今日は咲いていても、明日は枯れてしまう草花でさえ、神はこれほど心にかけてくださるのです。だとしたら、あなたがたのことは、なおさらよくしてくださるでしょう。

 明日のことを心配するのはやめなさい。神は明日のことも心にかけてくださるのですから、一日一日を力いっぱい生き抜きなさい。
リビングバイブル マタイの福音書6:25-30・34

Grace Japanese Christian Church
              丹羽宏子


見直そう!日本人の食生活 
 

  

いま欧米では、大豆や緑茶などの日本の食品が大ブームを呼んでいます。今回は、日本人にとっては身近な食材ですが、あまり知られていない“大豆”のパワーについてお話しします。大豆は日本では弥生時代から栽培されていたと言われています。当時肉や魚をあまり食べなかった日本人にとって、大豆は体を支える重要なタンパク源として重宝されていました。もちろん現代でも大豆を原料とする製品は数えきれないほどあります。皆さんは大豆製品といったら何を想像しますか?豆腐、味噌、納豆?それとも醤油や油揚げに湯葉にもやしなどなど‥?細かく言えば、大豆からとれる良質な脂でつくられた食用油やマーガリンなどもその仲間に入るといえるでしょう。

 ドイツでは、大豆は「畑の肉」などと呼ばれているそうです。確かに大豆には肉に匹敵するくらいの栄養成分が含まれています。良質なタンパク質や脂肪をはじめ、ビタミン、ミネラル、植物繊維なども豊富に含まれています。もちろんタンパク質は肉や魚からもとれますが、これらの動物性タンパク質は脂肪が多く含まれる上、どうしても油を用いて調理する事が多いため、過剰摂取すると肥満や高コレステロールの原因にもなってしまいます。植物性コレステロールと動物性コレステロールの摂取の割合は1対1が理想とされているようですが、皆さんの食生活はいかがですか?「カナダに来てすっかり食生活が欧米スタイルになってしまった」なんていう方もいらっしゃるかもしれません。私も嫌いだったピザがカナダに来て好きになってしまった人の一人です。

 最初にお話したアメリカで大豆がいま人気を呼んでいるという理由は、ここにあるのです。肉食中心で野菜や穀物をあまりとらない欧米方の食生活は、どうしても脂肪やコレステロールが多く、食物繊維の摂取が低い傾向にあります。動物性タンパク質の比率が高い事が指摘されはじめた欧米では、最近日本型の食事の人気が高まっています。最近では豆腐を知らない人は少ないですし、料理の本を見ていてもいまやSOY-SAUCEは欠かせない調味料のひとつになってきています。人間の体を作るのに欠かせない大切な栄養素“タンパク質“。年齢に関係なくよい筋肉,よい血液、美しい肌、そしてきれいな髪のためにも日本型の食生活を見直して大豆をたくさん食べましょう!納豆が好きな方は、次回カルガリーへ行く際には忘れずに‥。納豆に含まれる酵素には血液をサラサラにする効果があり、ネバネバの糸には消化吸収作用に効くタンパク質が含まれているので、体にいいことだらけです。それから、枝豆には肝臓をアルコールから守るメチオニンという成分が入っており、アルコールの分解を促してくれます。”ビールと枝豆”の組み合わせにはちゃんとした理由があったのですね‥。

 

 



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