Columns

 

 

2003年2月上旬号

アイスフィッシングへの道

〜其の一〜

 バンフで冬を過ごすのもとうとう3度目。
 日本での忙しい日々を忘れて、1年程「のんびりワーホリ」などと思っていたはずが、いつのまにか・・・。スキーもスノーボードもなにもアクティビティーらしいものをしない私にとって、秋冬は読書と味覚のシーズンなのだが、さすがに3年目の冬となると何かせねばという気になってきた。にわかにそんな気になってきた頃、日本にいる友人からとっても久しぶりな手紙が届いた。
「そっちに遊びに行ってもいいかなあ?」
 しばらく日本に帰っていない私にとっては、願ってもない申し出である。自分で大金をはたいて日本に帰らなくても懐かしい友人とともに遊べるのだ。勿論、二つ返事でO.K! せっかく来てくれるのだからと思って何をしたいか希望を聞くと、なんと「アイスフィッシング!!」なぜショッピングじゃないの?スキーじゃないの?何故??せめて「犬ぞり」ぐらいにしとこうよ・・・。スキーやスケートなら私もあきらめがつく。仕方ない、もう3年目だしスキーくらいは経験しないと。しかし、何が悲しくて「アイスフィッシング!!」 この寒いのに氷の上にずっと立っていないといけないんだよ! しかも、トイレもないんだよ! これがそのときの正直な私の気持ちである。(フィッシングファンの方、すみません)何とか友人の心を変えられないものかと必死でEメールを送ってみたものの、帰ってきた返事は「カナダの冬を体験したいの!!」
 彼女の決心はかたかった。私が日本を離れている間に彼女はどうやら釣りキチならぬ釣り子ちゃんになってしまったらしい。
 「まあ、私は車も持っていないし、誰も連れて行ってくれる人がいなかったら彼女もあきらめるだろう」と思ってのんきに構えていたのだが、なんとタイミングの悪い(良い?)時というのはあるものである。町でばったりアイスフィッシング好きの近所の人に出会った。一応、きいてみるか・・・。
「日本からたずねてくる友人がアイスフィッシングをしたいっていうんだけど、この辺だとどこに行かないといけないの?何を持っていかないといけないの?」 
「そういけば、去年だかおととしだかに連れて行ってあげるっていったのにチャンスがなかったねー。今回は、大丈夫! 連れて行ってあげるよ!!」
 なんて記憶力がいいんだ。思いおこせば確かにここでの初めての冬は、その寒さもよくわからず、「みてみてもいいかなあ」などと思って「行きたい」と言ってしまったのだ。自分で言ったことには責任を持とう! 腐っても鯛、腐っても元教師である。とうとう私も心を決めた。「まあ、寒かったら私だけ車に戻ってゆっくりホットチョコでもいただこう!」やっぱりどこか腐ってる・・・。
 とにもかくにも行くことに決まった。さて、友人も無事にバンフに着いて、近所の人たちと楽しくクリスマスプレゼントのおひろめ会やらクリスマスディナーやら・・・。気分も盛り上がってきたところで、アイスフィッシング!!

泰子


 

静かな冬の映画紹介

 今回は季節がらという事で、歴代アカデミー賞受賞作品の中から「素晴らしい作品なんだけど未見の方が多そうな作品」をご紹介したいと思います。おそらく、ここ15年くらいの受賞作は多くの方が鑑賞されていると思いますので、今回は主に70年代の名作を3本ほど挙げてみたいと思います。
 まず何と言っても挙げなければならないのが、『The Godfather』および続編の『The Godfather PartU』。非常に有名な作品なので、ご存知の方も多いかもしれませんが、マフィア一家の攻防を描いた作品です。それぞれ3時間と長い作品ですが、ストーリー展開と役者陣の素晴らしい演技によってそれほど長く感じさせません。マフィア映画と言うと、血生臭い抗争でバンバン人を殺して・・・ という風に思われるかもしれませんが、この作品は「マフィア」ではなくあくまで「家族」に主を置いています。遠くの国の知らない家族の話ではない所が他のマフィア映画とは一線を画しています。見応えたっぷりの名シーンも多くあり、日本では一部の暴走族が使っていたテーマ曲も印象的です。(笑)ちなみに、この作品でアル・パチーノとロバート・デ・ニーロという名優がスターになりました。
 次はロバート・レッドフォードとポール・ニューマン主演の『The Sting』。
 詐欺師たちの大きな仕掛けを軽妙なタッチで描いた作品で、ラストはアッと驚く展開に。おそらく、大ドンデン返しを図った作品で唯一無二のアカデミー受賞作じゃないかと思います。純粋にエンターテイメント作品として楽しめます。が、作品の舞台となっている時代が1930年代で、古い英語を使っているので、字幕なしで見るにはちょっとキツい部分があるかもしれません。
 最後の一本には、ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープ主演の『Kramer vs. Kramer』をご紹介させていただきます。結婚と育児によって失ってしまった自分らしさを取り戻す為に妻が家出してしまい、バリバリのビジネスマンだった夫が仕方なしに育児と仕事に追われ始めるというストーリーですが、当時のアメリカの主たる家庭問題が、十数年後の今の日本にバッチリ当てはまるのは興味深いです。子供がかわいくって最後はホロッと泣けてしまいます。

Tomo Goda


 

旅へのいざない 〜イタリア編〜

 昨日、イタリアより帰国しました。
 天候不順で、ベニスはまさに「水の都!」通常よりも120cmも水位があがっていて、名所のサンマルコ広場は完全に水没していました。豪雨と満潮、大潮が重なったのが原因だそうですが、翌日は145cmにもなり、TV取材がくるほどでした。それでも地元民は慣れているのか、腿まである長靴で涼しい顔して歩いています。小雨になったのを見計らって、強引に寒く暗〜いゴンドラ観光。「ためいき橋」を見上げて、みんなで思わず「はぁ〜・・・」。
 フィレンツェへ向かう途中の山道ではみぞれも降り、濃い霧が出て視界は数十m・・・。なんとかたどりついた「花の都」、フィレンツェ。町を見渡す丘に立ったとき、一瞬だけ晴れ間にあいました。町のシンボルのドゥオモに光が当たった途端蘇る『冷静と情熱の間』のシーン・・・。ちょいとロマンチックな気持ちに浸りながら、ドゥオモ(細くきつ〜い462段は一旦上り始めたら後戻りができません。人生と同じ・・・!?)に上り、赤茶色の屋根を眺め、中世の香りのする風に吹かれたのでした。
 ローマでは、久々に丸1日の自由行動の時間があったので、朝からひたすら歩きました。(結局、この日が唯一の晴天日)コロッセオ〜真実の口〜サタンジェロ城〜スペイン階段〜サンピエトロ寺院・・・と、『ローマの休日』の観光ルートを競歩のような足取りで辿りました。ティベレ川沿いのポプラが黄色く色付いていて、とても印象的でした。
 本当なら小さなカフェに陣取って、完成50周年のアニバーサリーを迎えた『ローマの休日』に思いを馳せる予定だったのですが、あたふたと時間は過ぎてしまい、夕食は大好きな「中華料理」となりました。「ザーサイラーメン」を頼んだら、中華麺の代わりに「スパゲティ」が入っていました。もう一度メニューをみたら、確かに"spaghetti in soup"とありました。やられた!
 その後、ローマのガイドさんから興味深い話を聞きました。先日、シシリア島の空港が1日閉鎖になったのだそうです。その理由は「エスカルゴ!」かたつむりが滑走路に這い出してきて、着陸できなくなったのだそうです。地元民は思わぬ大収穫を得たのですが、その2日後、あの「エトナ山の噴火」が起きたのです。

滝元 隆伸


 


               

カナダで読むバイブルストーリー8

 『親分はイエス様』という映画を知っていらっしゃいますか?一昨年、日本で少々話題を呼んだ「ミッションバラバ」というやくざからクリスチャンになった人達の集まりがモデルになった映画です。教会の方が、ビデオテープを日本から取り寄せてくださいました。渡瀬恒彦主演で「人生はやり直せる」というのがテーマです。
 新約聖書の中には書簡がたくさんありますが、その大部分はパウロという人が書きました。彼はやくざではありませんが、イエスキリストを信じて人生が180度変わってしまった人です。
 「さてパウロは、クリスチャンを全滅させてやろうと、闘志満々、エルサレムの大祭司のところへやって来ました。」クリスチャンを根こそぎやっつける為の手紙を書いてもらったのです。「パウロがこの仕事でダマスコの近くまできた時、突然、天からまばゆい光がさっと彼を照らしました。そして、地に倒れた彼の耳に、こう語りかける声が響いてきました。『パウロ、パウロ。なぜわたしを迫害するのですか。』パウロが、『いったいどなたですか。』と尋ねると、『あなたが迫害しているイエスです。さあ立って町に入り、私の命令を待ちなさい。』という答えが返ってきました。」この後パウロは起き上がりましたが、目が見えなくなり、手を引いてもらってやっとダマスコに入り、三日間何も食べずに過ごしました。神は、アナニヤというクリスチャンをパウロの所に送りました。彼がパウロに手を置くと、「たちまち、パウロの目からうろこのようなものが落ち、もとどおり見えるようになりました。・・・ それから数日の間、ダマスコのクリスチャンといっしょに過ごすと、すぐにも会堂へ行き、イエスは神の子だと語り始めました。そのことばを聞いて、人々はみな耳を疑いました。」
リビングバイブル 使徒の働き 9:1−21
 迫害推進派から熱血クリスチャンに変えられた人の話です。ちなみに、「目からうろこ」ということばはここから出てきたのです。

Grace Japanese Christian Church
丹羽宏子

 


 


                         

訃報

 最近、連絡が疎遠だったスノーボーダーの友人からのE-mailをよく受信する。内容は決まってこうだ。「ケリーってホントに死んだの?」
 残念ながら、スノーボードの神様Craig Kellyは2003年1月20日(月)、カナダのブリティッシュコロンビアにおいて雪崩に巻き込まれて死亡した。
 彼を知らない人のために少し説明が必要だろう。スノーボードの草創期から数々の活躍をし、4回のワールドチャンピオン、3回のUSオープンチャンピオンに君臨する。常にトップライダーとして各種ビデオにも出演。大手スノーボード・カンパニーでスノーボードの開発にも携わる。あなたの乗っているスノーボードも彼の経験とアイディアが無ければこの世に無かったかもしれない。そんな彼が、雪崩という災害に遭って生涯の幕を閉じてしまった。この事故は、スノーボード界にとって大きなニュースであることがお分かりいただけると思う。
 きっとこれを読んだ大半の人は、「自分はそんな特別なところに行かないから、まったく別の世界の出来事だね。」と思うかもしれない。確かに暖かいアパートで小説でも読んでいれば、まったく関係の無い話だ。しかし、スキー場に出かける人なら意識しているしていないにかかわらず、一回ぐらいはバックカントリースキーを体験しているはずだ。スキー場のロープをくぐればそこはバックカントリー。バンフ周辺のスキー場でも年に何人かは雪崩に埋もれる。パークスカナダの発表によれば今年は雪崩の当たり年。意外かも知れないが、究極まで冷え込むロッキーでは雪が少なければ少ないほど雪崩が発生しやすい。(一概には言えませんが・・・)気持ちよさそうな斜面を求めてスキー場のロープを越える前に「パトロールとの追いかけっこ」よりも危険な賭けをしようとしていないかよく考えよう。
 カナダのJean Chretien首相は「我々の思いと祈りは、この痛々しい犠牲者の家族と共にあります」とコメント。カナダでは前首相Pierre Trudeauの息子Michelが1998年に雪崩で死亡して以来、雪崩が国家的な問題として取り上げられている。

永作まさかず

 


 

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