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2003年8月上旬号

精神的ワーホリ体験記

  「カナディアンロッキーを訪れたり住み着いたりする人達は、一体何を求めて、何に魅了されてこの地を選ぶのだろうか。」

  別にアンケートを取って調べた訳でもなんでもないが、色々と聞いた話しなどを思い出してみると、やはり「日本ではなかなか味わう事の出来ない雄大な自然に魅せられて」という人が圧倒的に多いように思う。確かに、ここでは自然そのものの姿を見る事ができる。人知では計り知れないスケールの大きさを身体全体で感じる事ができる。乾燥していて清々しい空気を胸いっぱいに吸い込み、遥か彼方まで続く急峻な山並みを望む、などという事が日常生活の中で当たり前の一場面となる。

  反面、その厳しさも実感を伴ってひしひしと感じ取る事ができる。私の場合、幸運な事に未だ大事には至っていないが、一歩間違えると命に関わるような事も数多く存在する。「今の世の中、いつ何が起こるか分かったものではないので何処にいても一緒だ」と言われればそれまでだが、それなら自分の好きな所で好きに暮らせれば悔いも残らないというものだ。

  そういう私も、7年前にワーキングホリデービザを取ってカナダに来るまでは、自分の住んでいる地域以外の事は本やテレビによる知識しか持っていない、いわゆるこじんまりとした人生観しか持ち合わせていない若造であったように思う。

  満員電車による通勤の苦痛や仕事によるストレスに耐え、(数年前の無差別毒ガステロ事件では、危うく10分違いで巻き込まれる所であった)収入を増やし社会的地位を獲得し、損得勘定に走り、責任を取らなくても済むように根回しに奔走し、人から幸せに見られるように努力していたように思う。しかもそれは私にとって偽りの幸せであるという事に気付きもしないで・・・。

この大自然が私の心を癒してくれたとは思っていないが、少なくとも一つの要因となった事は認めざるを得ない。例えば一人でいる時、日本にいた時よりも圧倒的に自由を感じる事ができる。繁華街からはずれるだけで、人工的な建物や騒音、何にもまして揉みくしゃにされそうな人の多さによる圧迫感を受けなくてもすむ。

  さらに自然の生き物の存在感も違うように思う。都会に限っての事かもしれないが、日本で人の近くにいる生き物のほとんどは嫌われているようだ。虫や鳥、動物には決まって害虫とか害鳥、害獣などという呼び方があり、人間の勝手な都合で悲しくも駆除されてゆく。しかし、人にとって特に害にはならなそうな生き物の数が減ってくると、やれ自然保護だ、絶滅の危機から救うのだ、などと大いに盛り上がりを見せる。それが悪いとは言わないが、本当に方法を考えて実行しているのかな? と、首をひねってしまうような事があるのも否定できない。

  例えば、朱鷺(トキ)にしても「そこまでしなくても・・・」と思うような事がニュースで伝わってくる。一体どれだけの予算と労力が費やされているのだろうか。そして、それをする事は本当に自然の摂理にかなっているのだろうか。少々不安になる。

カナダに入国してからしばらくの間、バンクーバーに住んでいた。いくらカナダ第3の都市とはいえ、広い国土と国全体が田舎であるために、それほど人が溢ているという訳ではないが、それでも一応高層ビルなどもある。そういった状況の中で生息している生き物たちも当然おり、彼らは日本のと違って嫌われ者ではないのだ。野ネズミやリスやスカンク、カナダ雁やカラスやカモメなど、日本でも見られるものからそうでないものまで、人に害やストレスを与えるのではなく心を和ませる存在としてそこにいるのだ。これが私を童心に戻す役目を果たした。子供の頃、田畑や里山で虫捕りやザリガニ釣りをした頃の記憶を呼び起こしたのだ。

  その事に加え、日本人が失いがちな「心のゆとり」を持つカナダ人の紳士的な譲り合いの気持ちや、献身的な親切に触れ、少しずつ自分もここに住んでそのような人間になりたいと考えるようになった。十人十色でそれが全ての人に当てはまるとは思えないけれど、自分の中では正しい選択をしたと思っているし、後悔はしていない。

そして今はバンフにいる。夏の観光シーズンともなると世界中から沢山の人が訪れるが、普段は人口約8000人の小さな町。カナディアンロッキーのハイライト、国際的に有名なリゾート地、バンフ国立公園内唯一の町、それがバンフだ。

  バンクーバーにも増して野生動物や野鳥と接する機会が多いのも、まわり全てが大自然に囲まれているからであり、熊やクーガーさえも出没する桁外れの町である。これにはさすがに驚かされた。人の近くにいる生物という状況ではないのだ。人が彼らの縄張りの中に足を踏み入れたと言えば良いだろうか。立場が逆転してしまっている。恐ろしい反面、もし上手く共存が成り立てば世界の国々の手本と成り得るのだ。まさに人と自然の完全な融合という夢への第一歩となるのだ。困難を極める偉業だが、パークスカナダの今後の努力に期待したい。

何がきっかけで思わぬ方向へ人生が進むようになるか分からない。私の場合にしても、衝撃的な出来事があってカナダまで出向いて来たのではないが、いま思い起こしてみると、流れに逆らって飛び出してみてよかったと思う。とにかく後悔だけはしたくないのだ。

日本を飛び出す時、親父にしみじみと言われた言葉を急に思い出した。
  「変った子が出来たもんだなぁ」
 恐れ入ります・・・。

 

小池健一郎


(このコラムは、2000年7月下旬号に掲載されたものです。)

 


投稿欄
〜ロッキー山脈は永遠の故郷〜

  2003年7月には絶対にバンフに行こう! そう決めたのは現在1歳9ヶ月になる娘がまだ私のお腹の中にいるころ…「産まれてくるこの子が2歳になる頃までに、カナディアンロッキーのあの景色を見に行こう!」約2年半越しの願いが叶って、今年夏、我が家のカナダ旅行が実現しました。

  私は1994年から約5年間、旅行会社で働きながらバンフに在住しておりました。今でもふと「なんで日本へ帰ってしまったのだろう?」と思うことがあるくらい、私はバンフの町、カナディアンロッキーの景色が大好きです。特にバンフアベニューから見上げるカスケード山や、テンピークスにかこまれたモレイン湖の絶景は、帰国後も何度夢にみたことか…。

  バンフ到着の翌日、カナダデーでにぎわうバンフの町を散策し、夕方からのパレードに感動! 最初は大きな音と周りの騒ぎにア然としていた娘が、次第にリズムに合わせて体をゆらし出しました。パパの肩車でご機嫌にパレードを楽しむ娘の姿は何とも微笑ましく、以前とはまた違ったパレードの楽しみ方を教えられました。

  6日間のバンフ滞在でしたが、その間私達家族は、毎日のようにモレイン湖へ通いました。誰が何と言っても、私はいまだに、この湖の景色に勝る絶景に出会ったことがありません。今でもよく「一生に1度は必ず行って欲しい場所」と、日本の友人などにも豪語し続けている場所です。そして、今回の旅の目的のひとつでもある「モレイン湖での家族ベストショットの撮影」を目指して足を運び続けました。湖は期待を裏切ることなく、時間や天候に合わせて毎日違った味わいを楽しませてくれました。最初は「今日もまた行くのか?!」と驚いていた旦那も納得するほど、とことんモレイン湖にこだわった日程はとても満足のいくものとなりました。昔バンフにいた頃には思いもつかない(贅沢な?)モレイン湖の楽しみ方です。

  そして今回、もうひとつの旅の目的は、幼い娘の初めてのカナダ体験&自然とのふれ合いでした。娘は私達の心配をよそに、自分なりに積極的にバンフの滞在を楽しんでおりました。生まれて初めて見る、バンフをとりまく高い山々を見上げては、かたことの言葉で「オッキイ!オッキイ!」とゆびを指し、ボウ川の流れを見て川に飛び込もうとしてみたり…。日頃は都会のマンションの片隅で小石拾いを楽しんでいる娘が、そこらじゅうにころがる小石に大興奮! また、現地の歳の近そうな子供と子供なりのコミュニケーションを楽しんでみたり(もちろん言葉は通じないのですが)…。こうしたバンフでの生活や光景が、娘の目にも喜びをあたえ、それを親子で分かち合えることはこの上ない幸せです。

  私は、昔から旅好きで世界各国を色々旅しました。そして今まですばらしい景色、思い出に残る場所にたくさん出会ってきました。これからも見知らぬ土地を求めて旅行を続けると思います。しかし私にとってのカナダ、ロッキー、バンフは、他のどことも違った「心の故郷」です。大自然が包み込んだ確かな自分の歴史と人生の一部があります。日本で暮らし、結婚したり、子供を持ったりしても変わらないものがあるのです。このバンフ滞在は、まるで夢のような心安らぐ6日間でした。

  最後になってしまいましたが、日頃から筆不精で何の連絡もしない私ですが、突然ふらりとバンフを訪れる度に、いつも温かく迎え入れてくれるバンフの友人&知人の皆さん! 本当にありがとうございます。皆さんがバンフにいてくれるおかげでいつでもバンフに帰れる気がして、ホッとします。私の大好きなバンフが、いつまでもその姿が変わらぬままあり続けてくれることを心より願っております。

元バンフ在住 MARIKO



 

Let's Talk Like Canadians!!

〜英会話ワンポイントアドバイス〜

In the nick of time = just in time; at the last possible moment 
(ちょうど間に合った!)


In the nick of time は、きわどい時を指すフレーズです。危険なことが起きる前やアクティビティー(例:映画の上映時間)に間に合った時などに使います。例文を参考にして下さい。ちなみに私は、今回の記事を提出するにあたりin the nick of timeで締め切り日に間に合いました。

●Situation 1 

Friend 1: 
You got here in the nick of time. The movie just started.
Friend 2: Great, did I miss anything? 

●Situation 2 

Speaker 1: Oh my, that house is on fire!
Speaker 2: 
Yes, the family got out in the nick of time before the house collapsed.

●Situation 3

Friend 1: 
You arrived in the nick of time, we were going to leave without you.
Friend 2: I am glad you waited a little longer.


BY Jannine Rossi (Banff Education Centre講師)

 


バンフ周辺、見所へ行こう!

〜お勧めハイキングスポット〜

 

  素晴しいお天気が続いています。この夏の日々に、皆様にバンフの滞在をめいっぱい満喫して頂きたいものです。バンフ周辺、ロッキー山脈にはたくさんのハイキングコースがあります。どこもかしこもそれぞれ素晴らしいので、いろいろ試してみて下さい。

<ロッキーの定番コース>
@ サンシャインメドウ
  標高差が少なく、景色が素晴らしいトレイルです。出発地点ですでに標高2200m。お花畑が広がり、天気のよい日にはロッキーのマッターホルン、アシニボイン山(3、618m)も見えます。

A アグネス湖と6つの氷河の広場
  アグネス湖までは、簡単な半日コース。6つの氷河の広場トレイルをハイクすると、ビクトリア氷河が一望できるビューポイントに到達します。近くの山小屋風ティーハウスでは、手作りのケーキ、パイ、レモネードや紅茶が楽しめます。

B モレイン湖からラーチバレーとセンチネルパス
  きついジグザク登りが終わる頃、突然視界が開け、息を呑むほど壮大なテンピークスの峰々が現れます。標高の高さで有名なテンプル山の姿も望めます。秋には、黄金色に染まるラーチ(唐松)の森が有名。

C ヨーホー湖とアイスライン
  アイスライントレイルは、とにかく“美しい”の一言。一面に広がる氷河の数々が自然の偉大さを語りかけてくれます。タカカウ滝と、その水源となっているダリー氷河も一望できます。

<時間があればここもぜひ>
D C−レベルサーク
E パーカーズリッジ
F ジャイアントステップとアネット湖
G ジョンストン谷からインクポットへ
H ボージョーレイク
I グラッシーレイク


憧れのレイクオハラ
〜天国の湖〜


 
  別名「天国の湖」で知られるレイクオハラの魅力は、昨年のバンフタイムズでも2回に渡りご紹介しました。他のハイキングコースとの決定的な違いは、静粛さと湖を囲む3000m級峰々の迫力です。

 レイクオハラ地区はとても繊細な自然保護地区のため、自然を守るための入山規制が厳しく行われています。日帰りハイカーは1日に約40人が目安で、入山には特別なシャトルバスを利用します。バスの予約は、通常2ヶ月先まで満員というのが現状です。一旦入山するとあまりの静けさに心を打たれます。大自然の大きな力に癒される思いです。

  バンフから車で国道1号線を西へ約1時間走ったところにレイクオハラアクセスポイントがあります。そのシャトルバスの乗り場からレイクオハラまでは約13km。レイクオハラの標高は2,035mです。レイクオハラの魅力は、湖とその周囲を囲んだ今にも湖に倒れてきそうに迫る山々の景色にあるでしょう。レイクオハラはハイキングコースの出発地点で、ここを基点に色々なハイキングルートが楽しめます。シェーファー山方面から真っ青な水をたたえたマッカーサー湖までのコースや、ウィワクシー山方面へ上がり、標高2,275mのオエサ湖からオパビン台地コース、もしくはオハラ湖から直接オパビン台地へあがって、ハンガビー湖付近でゆっくりするのもよいかもしれません。

  今シーズンのレイクオハラのバス運行最終日は10月6日となっています。9月中旬は周囲に群生するラーチ(唐松)が黄金色になり、一層の素晴らしさを誇ります。ここは自然と動物を大切に思う人のみにお勧めしたいロッキーの秘境です。

★ レイクオハラに関するバス予約やお勧めハイキングルートの詳細は、バンフタイムズの2002年143号144号を参照して下さい。バンフタイムズウェブサイト又は「インフォルーム」にて、情報をご用意しております。

★ レイクオハラ行きバスチケットをプレゼントします。詳しくは、Information のページをご覧下さい。

 


 

カナダで読むバイブルストーリー16

〜草取りしませんか〜

 「恵みの業をもたらす種を蒔け。愛の実りを刈り入れよ。新しい土地を耕せ。主(しゅ/LORD)を求める時が来た。ついに主が訪れて、恵みの雨を注いでくださるように。」     (聖書 ホセア書10:12)

  先日、キャンモアの住居の草取りをしました。取りやすい草はすでに抜いてあったのですが、8kg位ある石の間やブロックの間から生えている雑草、葉や茎にとげのあるものなどは容易に取れないため、しばらく手をつけないでおりました。それが結構大きくなってしまい、意を決して除草作業に取り掛かりました。根はすでに深くなっておりましたので、石を順番に動かしながら、スコップで掘り出しました。

  私は兼業農家の育ちですが、田畑の雑草を丹念に除草しても、しばらく経つとまた雑草が生えてくるという状況を何年も経験して来ました。大学では農学を学んだ私ですが、短期間にどうしてまた雑草が生えてきてしまうのか、いつも不思議に思っていました。しかし聖書の初めの方に、雑草が生えるようになった経緯が書かれているのを読んで、それ以来どんな土地にも雑草が生えるのだという事を納得しました。いくら注意深く農地などを管理していても、庭の手入れをしていても、必ず草が生えて来るのですから、除草作業に終わりは無いわけです。

  私達の心も、このような農地や庭園に例える事ができるでしょう。人の心には良心があり、社会には道徳があります。これらの良いものを心の農地に蒔いたり植えたりするのですが、いつの間にかそこに雑草が生えてきます。取りやすい草もありますが、とげがついて大きく成長して抜くに抜けなくなり土地を荒らしてしまう事などもあります。そのためには大きな雑草を抜き取り、草の生えにくい環境を整え、雑草が小さなうちにこまめに除去したいですね。

  日本においても、ここカナダにおいても、心の中に痛みや悩みを持っておられる方が多いことに気づかされます。一緒に草取りをして、心の土地に良い種を蒔きませんか。

Grace Japanese Christian Church
牧師 丹羽博志

 


どの言語で教えたらいいの?
〜英語を第2言語とする子供を持つ方へ〜

<やるべきこと>
* まずは、日本語で力をつける。
* 毎日何かを読んで聞かせ、それについて話をする。
* 新しい言葉を使い、それを日本語で繰り返す。
* 日本語で正しい文章のお手本を見せる。
* 日本語で、子供の話したいことや身の回りのことを話す。
* 学校ごっこ、お店屋さんごっこなどの遊びを日本語で一緒にする。
* よく子供の話を聞き、話をした時に誉めてあげる。
* 子供の通う学校や地域のアクティビティーに積極的に参加する。

<してはいけないこと>
* 特定の言語を使うことを強制する。
* 子供の話し方を批判したり、話すようにプレッシャーをかける。
* 質問のしすぎ(これは何? これは何色? など)

<ご存知ですか・・・?>
* 文法やボキャブラリーは、自然な環境で学ぶのが一番効果的。
* 誰かによく本を読んで聞かされた子は、読むことが得意になる。
* 子供が第2言語を使いこなせるようになるまでには1〜7年間かかる。

抜粋: Calgary Health Region Bow Corridor Speech-Language Services(762-2990) “ESL−Information for parents of children learning English as a Second Language”


2003年8月7日更新

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