Columns

 

 

2004年4月上旬号

雪崩に遭った話・・・

 

気がつくとすべてが止まっていた。目の前を見ると、高さ40センチ、4x3四方メートルの雪のブロックが斜面の下方に向かって僕の体を押し出そうとしていた。押しのけようとすると、それは2つに割れて僕の両脇から斜面をゆっくり、少しずつ加速を増し、どこまでも滑り落ちていった。雪が滑り落ちるその先に目をやると、いつも滑り出す前に眺めている滑らかな雪面とは違った醜い雪の蓄積が見えた。その蓄積は上から落ちてくる雪でさらに下方に広がり、ものすごい勢いで増加していくのが見える。そんな光景を眺めていると、遥か上方で「だいじょうぶー !」と大きな声がした。僕は声の方向に大きく手を振った。

  雪崩に流された自分の体が斜面の中腹で止まり、周りの雪の動きが全て止まった時、足元は震えていた。「恐怖で足元が震える」なんて週刊誌にありがちな誇張表現のようだが、事実僕の足は小刻みに震えていた。



  2月は不幸にもほとんど新雪に恵まれなかったが、3月には大雪が降りスキー場の新雪という新雪を滑りまくった。スキー場内の新雪が食い尽くされた後もパウダースノーの感触が忘れられず、比較的天気の良い日を選んでバンフから1号線を西に走り駐車場に車を止めた。場所は、バックカントリー・スキーで有名なアイス・フィールド・パークウェイの最高地点「ボウ・サミット」付近。

  歩き出して、しばらくしてから登りになる。天気も景色も気分も良く、登りは快調だった。滑る予定の斜面を半分ほど登ったところで僕らは立ち止まった。

  バックパックから取り出した長い棒を雪面に突き刺し、雪の深さを測った。約3メートルと深い。(今考えるとロッキーの積雪はこんなに深いわけがない)雪を掘り進めていくと、ほとんど雪質が均一だった。その穴を見て雪崩の危険性があるか調べ、自分なりに少ないと判断。安心してさらに斜面の上を目指した。

  滑り出す地点に近付くと、残念ながら太陽が雲に隠れ、光が微弱になってきた。ここで寒いお昼ご飯。持っている防寒具を全て身につけ、せわしない昼食だったが無理やり楽しんだ。

いよいよ滑降。登りもハイキング気分で楽しいのだが、やはり滑るのが一番楽しい。しかし、これから滑る斜面を覗き込むと真っ白で良く見えない。このような斜面でスピードを出しすぎれば、突然斜度が変化した場合転ぶ原因となるので、ターンを多めにゆっくり滑る事になった。

  スノーボードのバインディングを閉めて斜面に板の先を向け、一気に真っ白な雪面に滑りこんだ。ターンごとに上がる雪煙が気持ち良い。柔らかい雪の上をはねるようにターンを刻む。それを十数回繰り返し、そろそろ後続の仲間を待とうと斜面の途中で僕はストップし、友人を見上げた。

  その時、奇妙な感覚に襲われた。足元が不安定のような、よく分からない感覚だ。そして、自分の体が動き出した時ハッキリと自覚した。「雪崩だ!」

  僕を乗せた雪は、始めゆっくり動き出した。感覚はフライング・カーペットに乗っているよう。動き始めてからは何もできなかった。数メートルほど僕を乗せて移動した雪面は醜く崩れ、重い雪がどんどん僕の体を圧迫し始めた。そこで初めて、頭上から覆い被さろうとする雪を手で押しのけ、雪に埋もれないように泳ぎ始めた。しかし、足元はスノーボードというアンカーでしっかり雪の中に埋まっている。もし、大きな雪のかたまりが覆い被されば、雪の下に埋まる事は免れない。

  「埋まったら口の周りを手で覆って、少しでも空気を吸えるようにするんだったな。」流されながら冷静になる自分と、「埋まったらどうしよう !」と、恐怖におののく自分が頭の中で共存する。そして、雪崩は止まった・・・

  結局、僕が流されたのは50メートル程。雪崩の跡全体から考えると、さほど流されていない。しかし、雪崩全体の大きさは長さ300メートル、幅300メートル。かなりの大きさだ。雪崩の先端まで流されず、途中で止まり助かったのは幸運と言ってよい。

  雪崩に関する事は、知識だけでなくこの地域の経験などにも深く関わるので、ここで語れるほど簡単でない。しかし今考えてみて確かなのは、僕が取った行動には多くのミスがあったことだ。去年の冬はアルバータとブリティッシュ・コロンビア州で雪崩事故が多発し、29名の命が失われた。その事実を考えると、帰りの車の中で暗い気持ちになった。

 

永作まさかず
www3.telus.net/public/toloco/



カナダで読むバイブルストーリー24
〜片付いていないのに〜


   家の中が散らかっているのに、あまり気にならなくなっています。私は散らかすよりは片付けるタイプですので、カナダへ赴任してから、あまり家の中が散らかっていた事はないように思います。しかし、娘と孫娘が滞在している最近は、お客さんが来られる前に少し片付けをしています。

  私達の子供が幼かった頃は、会社から家に帰るといつもおもちゃなどが散らかっていたので、更に疲れが出てしまい、家内にどうして片付けておかないのかとよく言ったものでした。しかし、子供たちが大人になって私達の手元から離れて行くようになると、子供達に手がかかった時がなつかしく思えてきてしまいます。そして今回、娘と孫娘がカナダに来てくれたので、「じぃじ(私)」は嬉しくて、娘達をあちこち連れて行き、孫娘を抱いてばかりいて家の中はちっとも片付きません。でも、私はとても嬉しいのです。

  さて、皆さんの環境はいかがですか。家庭や職場などで、この人がもっといい人なら気持ち良く過ごすことができるのにとか、この人がいない方が・・・と思われる事があるかも知れませんね。時には腹が立ったり、そのために自分の大切な時間を費やしたりする事になるでしょう。でも、その方の存在ゆえに恩恵を受けている部分もあるのです。見方を変えるだけでずいぶん楽しみが見えてくるものです。そう、その方があなたにとって愛すべき存在となればいいのです。愛する事ができるなら、事態は変わるのです。

牛がいなければ飼葉おけはきれいだ。しかし牛の力によって収穫は多くなる。  (聖書 箴言14:4)

Grace Japanese Christian Church
牧師 丹羽博志


 

Let's Talk Like Canadians!!
〜英会話ワンポイントアドバイス〜


Clear the air 
 = (真実を述べて)誤解を解く、雰囲気を明るくする

「Clear the air」を直訳すると、「換気をする」となりますが、まさにその通り「悪い空気をとっぱらうことで誤解を解く」と理解していただければわかり易いでしょう。何事もお互いの不満をオープンにし、素直に話し合うことが、誤解を解く一番の解決法です。これを機会に、 Let's clear the air with your friends !

●Situation 1 

Laura: We haven't talked to each other in a week.
Jennifer: Don't you think it's time to clear the air?
Laura: I guess you're right.

●Situation 2
Bob: I'm tired of this. I don't want us to be mad at each other.
Jane: Neither do I. Let's clear the air. First, you tell me what I did to make you angry.

●Situation 3 

Joe: I was talking about my boss, saying that she talks too much, and she heard me! Now I'm afraid to see her.
Bill: That's not good. You should talk to her and try to clear the air. That might help the situation.
Joe: You're right. It's better to talk to her as soon as possible, instead of waiting too long.
 

BY Susan Taylor (Banff Education Centre講師)


 

2004年4月1日更新

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