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2004年5月下旬号

バンフ周辺へ行こう
〜ロッキーに咲く日本の希少種〜
 

 

 5月下旬から6月上旬にかけて開花が予想されるお花を3種類紹介。いずれも日本のお花好きが聞いたら仰天するような、付加価値たっぷりの種類なのだ。

「Venus Slipper(ビーナス・スリッパー)」 写真
花の色:ピンク
主な開花場所:ジョンソンレイク湖畔
(バンフ国立公園)など

 日本では北海道の定山渓や青森県のヒバ林でわずかに確認できる「ホテイラン」。絶滅危惧種にも指定される貴重な種類。ロッキーでは最も早咲きの野生ランとして知られる。
 学名のCalypso(カリプソ)はギリシャ神話で天空を支える神、アトラスの娘の名前。ホメロスの英雄叙事詩オデュッセイアには、森に住む美しい妖精(ニンフ)として登場。針葉樹林の下にたたずむ姿はまさに森の妖精!

「Yellow Lady's Slipper (イエロー・レディース・スリッパー)」 

花の色:黄色
主な開花場所:ボーバレー州立公園など

 日本では1911年、サハリンが生息地として記載された「カラフトアツモリソウ」。現在では北海道の礼文島(レブンアツモリソウの保護区)にわずか3株のみ生息するだけの貴重な種類。
 このお花を「外来種(帰化植物)」とする学説と、「礼文島の固有種」とする学説に分かれ論議が交わされている。前者であれば、貴重なレブンアツモリソウに悪影響を及ぼすために早期撤退が必須。後者であれば、絶滅危惧種として早急に保護しなければいけない。双方の学説は科学的な根拠に基づき、譲り合うことがないまま年月だけが過ぎている。
 ロッキーではそんな争いなど知る由もなく、次々と立派な株が登場。初夏のぬくもりとやすらぎを与えてくれるお花。

「Glacier Lily(グレーシャー・リリー)」 
花の色:黄色
主な開花場所:エメラルドレイク湖畔
(ヨーホー国立公園)など

 日本で大人気の山野草「カタクリ」の仲間。

もののふの 八十娘子らが 汲みまがふ 
寺井の上の 堅香子の花 
(万葉集 巻十九 四一四三)

  大伴家持が詠んだ歌で、「堅香子」とはカタクリの古名。お寺の湧き水を楽しそうに汲む乙女たちの美しさを、周りに咲くたくさんのカタクリに重ねたとの意味。
  日本のカタクリとは花の色も葉の様子も異なるグレーシャーリリーは、雪解けの湿った土壌を追い求め、いくつかの決まった場所と時期にお目見え。圧巻はバンフ周辺のヒーリーメドウ。広大無辺のその土地が、見渡す限りの黄色で埋まるのだ。大声で叫びたくなるその景観は、カナディアンロッキーが世界に誇るお花畑。決して大袈裟な表現ではない。(例年7月上旬頃)
 いずれも繊細で非常に弱いお花たち。トレイルから外れないなど、マナーと常識を持っての鑑賞・気配りのある接し方を願います。また、気候などの影響により開花時期がずれる場合があります。

 

写真/文   田中康一
www.ilovewintergreen.com


忘れがちなことわざコラム

 ナマの舞台が好きな私は、昨年夏、バンフセンターの観劇会員カード(Arts Lover Pass)を購入して、コンサートや舞台を思う存分楽しんだ。ある日、相棒を誘ってミュージカルを観に行ったが、驚いたことに彼は幕間の休憩中に消えてしまった。「膝が痛くて座っているのがつらいし、みんなフォーマルな格好をしているのにTシャツ姿で居心地が悪い」というのを理由に。私はそのことに憤慨した。舞台の途中で帰ってしまうなんて、役者さんにも失礼だし、わざわざチケットを手配した私にも失礼だ。でも思い返すと、彼は舞台やミュージカルに興味があったわけでもないし、馬の耳に念仏だったのかも。

  そんな過去の話をしながら、先日友人とふたりバンフセンターで行われたあるコンサートに行った。ハーモニカの美しい音色は、深い森や海、そして都会の情景を想わせた。そんな優雅な時間の中で、私は突然とんでもないことに気づいた。バナナブレッドをオーブンの中に入れたまま?

  そんなはずはないと自分を疑った。記憶が曖昧模糊だ。友人が家に迎えにくる前にバナナブレッドを焼いていた。妹と国際電話で話しながら。タイマーが鳴り、オーブンを止めてバナナブレッドを取り出した。だがしっかり焼けてないように見え、もう一度オーブンの中に入れてオンにし、160度にスイッチを合わせた。出かける前の5分か10分だけのつもりだったから、今度はタイマーもかけなかった。それが迂闊だった。妹との会話中に、チャイムがなった。友人が迎えに来た。急いで電話を切り、ジャケットを羽織って外へ出た。バナナブレッドのことは頭からすっかり消えていた。それから1時間半、オーブンはオンのままだ。コンサートの最中に、思いがけず気づいた自分の才能に驚いた。だが、それだけでは遠水、近火を救わず

「心ここに在らざれば視れども見えず」

  ハーモニカ奏者は、優雅に音を奏でていた。観客もそれに酔っている。隣の友人も。私もそれに浸りたい。だがそうは問屋が卸さない。現実を見つめなくては。その会場の中で、私ひとりが焦っていた。ゆっくり急げという言葉がある。この空気を壊してはいけない。途中では出たくない。けど、降りかかる火の粉は払わねばならぬ後の祭になってしまったら大変だ。曲が終わったら席を立とうと決断した。美しいはずのハーモニカの音色も、私にとっては時間の経過でしかなかった。その間にも、オーブンから火が回っているかもしれない。早く曲が終わってほしいと望んだが、なかなか終わらない。観客の拍手が響く。今がタイミングだと思い、友人に事情を告げて席を立った。観客の膝の間を通り抜けて後部ドアに向かった時、ハーモニカ奏者の「まだ終わっていませんよ〜」という意味の声が背中に響いた。私は無視した。それどころじゃない。ホールで電話を見つけて家にかけてみたが誰も出ない。電話にも火が回っているかもしれない。走るしかない。無我夢中で走りまくった。悪いことばかりが頭をよぎる。数日前に見た火事のニュース。その原因を作ってしまった女性が泣き崩れていた画像。アパートが全焼していたらどうしよう? 運は天にあり

  アパートが見えた。全焼にはなってない。ドアもあった。心臓がドキドキしていた。鍵を開けるときに砂糖のこげた匂いがした。暗闇の中にオーブンの明かりがきらびやかに光っていた。スイッチをオフにしてバナナブレッドを取り出した。よかった。火事にはならなかった。泣き出しそうなくらいにホッとしていると、相棒が戻ってきた。私が興奮しながら事情を告げると、「それでバナナブレッドは無事か?」いう意外な質問が返ってきた。

  舞台の途中で席を立つなんて言語同断だと思っていた私がそれをしてしまった。しかし、会場での私はほぼコップの中の嵐だったようだ。何よりも火事を起こさなかったことに安心した。「お出かけ前に火の元確認」という言葉もあるが、私はそれ以来「火の用心」という文字を玄関に張り出した。

岩崎ともみ


 

Let's Talk Like Canadians!!
〜英会話ワンポイントアドバイス〜


Grow on someone
=好きになる(最初は嫌いでも後から好きになる)


この慣用句は、一般的に音楽、場所、食べ物や人物に良く使われます。梅干しを食わず嫌いの人が時が経つにつれて好きになる、昔は嫌いだった音楽を数回聞いているうちに好きになるなど、使い方は下記の例文を参考にしてください。
  私が日本に住んでいた時も、最初は刺身が大嫌いでしたが、時間が経つにつれて好きになりました。

●Situation 1 
Tom: What do you think of Banff now that you have been living here for 6 months?
Jim: Well, at first I thought it was just full of tourists, but it has really grown on me. I really like living in Banff.

●Situation 2
Jill: I thought you didn't like this kind of food.
Jack: I didn't at first. But it's kind of growing on me. (= I'm starting to like it)

●Situation 3 
Olivia: (Listening to the radio) Who sings that song? I really like it!
Pete:It's a group from Alberta called Nickelback. I know it's a great song. The first time I heard it I didn't think much about it, but it has really been growing on me. I love it!
 

BY Susan Taylor (Banff Education Centre講師)

 


カナダで読むバイブルストーリー25
〜ラッキーなのかな?〜


 さてこの私はとてもラッキーなのでしょうか?
 先日私は街中を運転して右折をする時に、歩道に乗り上げ、それを知らずに進んだために降りる時に車の底を強く打ってしまいました。なんてヘマをしたのだろうと、駐車をしてから確認をしましたら、タイヤがパンクをしているではありませんか。おそらく皆さんもドジな奴だと思われるかもしれませんね。
その時スーパーでした買い物はバックパックに入る量で、修理工場はすぐ近くにあり、歩いて帰っても料理に食材が間に合う時間でした。この事を娘に話しましたら、前日にカルガリーへ行った時には、すでにそのタイヤの空気は少なかったというのです。つまりハイウェイを半分の空気圧で時速110kmプラスGSTくらいで走ってしまったわけです。何もトラブルなく帰って来れたことに安堵しました。そして実は翌日に満席でドラムヘラーへ行く約束をしていましたので、皆さんの安全の為にも前日にパンクを発見し修理できて良かったと思いました。修理費は予想外の出費でしたが、皆さんが楽しみにしておられる時にトラブルが起きたら大変です。翌日は予定した所へすべて足を運び、皆さんと楽しく過ごすことができました。
 私達は何事か起きますと、それが良かったとか悪かったとか、運が良いとか悪いとか言います。でももし歓迎したくない事が起きたとしても、良いとか悪いとかの判断は急がない方がいい事もあるのですね。なぜなら私達は、その事が未来に対してどのように益となるかを知りません。そしてもしかしたら、神様が私達を守る為に、あなたの順調な計画にドジな事を起こされる事があるかもしれないからです。

まことに主は、あなたのために、御使い(天使)たちに命じて、すべての道で、あなたを守るようにされる。彼らは、その手で、あなたをささえ、あなたの足が石に打ち当たることのないようにする。(聖書 詩篇91:11-12)

  Grace Japanese Christian Church
牧師 丹羽博志


 

2004年5月20日更新

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