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カナダの秋と言えば、東部のカエデの葉が真っ赤に染まることで大変有名ですが(平均的に9月下旬から10月中旬)、ここロッキー地区は、東カナダの紅葉シーズンに先駆けて実に素晴らしい「黄葉シーズン」を迎えようとしています。
このあたりで黄葉する木は、主に「アスペン・ポプラ」(広葉樹)と「ラーチ(落葉松)」(針葉樹)です。一年中その色や姿を変えず、一途に生きている針葉樹たち。ロッキー山脈の壮大なる景色は、ごつごつとした岩肌の山々と尖った針葉樹の森で、その男性美を演出しています。しかし、このロッキー山脈も一年でこの季節だけは、ほんの少しだけ色を染め、表情を緩めるのです。真黄色に染まった木々が山の裾野や小道、街角、ハイキングトレイルなどで輝くでしょう。
季節はあっという間に通り過ぎてしまいます。見頃のピークは、例年9月8日から23日くらい。素晴らしいこの黄葉シーズンをお見逃しなく。
<お勧めドライブコース>
★旧国道1号線
バンフからレイクルイーズまでの旧道(Bow Valley Park Way)。くねくねと曲がった情緒ある街道とボウ川、カナダ太平洋鉄道(CPR)の線路の組み合わせだけでも絶景ですが、一帯に群生するアスペン・ポプラの森がどこまでも続き、最高の構図になります。
途中、ジョンストン・キャニオンとキャッスル・ジャンクションには小さなガソリンスタンド兼お店があって、まるで映画の中にでてくるお店のようにかわいらしいです。
レイクルイーズの手前10分ほどのとろには「Baker Creek Chalets」というロッジがあって、秘境を思わせます。レストランもしゃれたログ作りでとてもロマンティックです。
★国道93号線、クロッシング付近
氷河観光道路として有名なアイスフィールド・パークウエイ(国道93号線)。ボウ峠の長い下り坂をおりきったところにサスカチュワン・リバークロッシングというレストランがあります。この周りと、さらに先30分ほどの道のりが黄葉名所。帰りにペイト湖の見学もお忘れなく。
★カナナスキス・カントリー周辺
バンフから国道1号線をカルガリー方向に走り、途中カナナスキス・カントリーという看板がでてきたら、ハイウエイ40に入ります。15分も走らないうちに一面に広がる真黄色な世界。湖の景色との調和は、ため息がでるほどの美しさです。マウント・キッドやロレッタ山の雄大な裾野も真黄色。景色を楽しみながら、サイクリングや乗馬、ゴルフもできます。
<おすすめハイキングコース>
★ラーチ・バレー
モレイン湖からアクセス。1.5時間ほどのジグザグ登りが終わる辺り一帯に唯一黄葉する針葉樹、ラーチが群生。ひらけた景色とテンピークスの峰々に感動します。熊出没の為、6人以上でハイキングするように規制されていますのでご注意下さい。
★レイク・オハラ
「天国の湖」とまで絶賛されているオハラ湖。周辺に群生するラーチが見事です。青く澄んだ湖の景色との調和が訪れるすべての人々の心を魅了してしまいます。オハラ湖の上部に位置するオエサ湖までのハイキングコースの途中、ところどころからオハラ湖を見下ろす景色が絶品。レイクオハラへのアクセスは予約制の特別バスで。ヨーホー国立公園にお問合せ下さい。(電話:250-343-6433)
なお、レイクオハラに関する詳しい情報は、バンフタイムズ2003年8月上旬号でご覧いただけます。(直接編集部、または www3.telus.net/banfftimes/bnumber.htm)遠藤千晶
投稿欄 〜黄葉(オウヨウ・コウヨウ?)〜
以前にも投稿させていただきましたが、バンフ近郊の黄葉を「オウヨウ」と呼ぶ人がいるようです。しかし、日本語に果たして「オウヨウ」という言葉があるのでしょうか。
調べてみると、辞書には出ていません。「こうよう」をワードで漢字変換してみると、「黄葉」の文字が「紅葉」と共に出てきます。私は「黄葉」は「こうよう」と読むものだと以前より思っておりましたが、ツアーガイドさんの中には、「この辺では葉が黄色くなるので、『黄葉(オウヨウ)』と言います」との説明をしている方がいらっしゃるようです。旅先から戻った日本で、観光者の方が「カナダでオウヨウを見てきた」と言ったら、果たして通じるのでしょうか?
これがカナダで作られた新しい日本語であるとすれば、カナダでしか通用しない日本語があるのも変な気がします。恐らく、ガイド研修担当の方の誰かが読み間違って使い始めたものが定着してしまったのでしょうが、そうだとしたら、お粗末で恥ずかしいお話です。観光者に対し、その土地に関する知識を広める役割を務めるツアーガイドさんこそ、正しい情報を把握しておくべきではないでしょうか。
厳密に言うと日本語では、間違った言葉でも定着してしまうとそれが正しいとされてしまいます。しかし、「水戸黄門」を「おうもん」、中国の「黄河」を「おうが」とは読みません。「黄葉」の説明は、「この辺りのコウヨウは、黄色い葉と書きます」がふさわしいのではないでしょうか。
宮副 徹
Let's
Talk Like Canadians!!
BY Susan Taylor (Banff Education Centre講師)
〜英会話ワンポイントアドバイス〜
Get dressed / Put on = 衣類などを身につける
衣類一式を身につける場合は “get dressed”。 靴下やシャツなど、身につけるものを限定する場合は “put on”を使います。
“Wear”との違い
動詞の“wear”は、すでに衣類を身につけている時、または身につけてどこかへ行く時に使います。(例:I am wearing my favorite shirt.=お気に入りのシャツを着ている。) それに対し、“get dressed”と“put on” は、いずれも実際に手を用いて身につける行動を指します。(例:I put my favorite shirt on.=お気に入りのシャツを着る。)
●Situation 1
Tom: Hurry up and get dressed ! We're going to be late for the show.
Sandy: I'm almost ready. I just have to put on my shoes.
Tom: Thank goodness! We only have 10 minutes.
●Situation 2
Julia: I can't wait until my son is older. Now he's 2 years old, but I can't wait until he's about 5 years old.
Sara: Why?
Julia: Because when he is older, he'll be able to get dressed by himself !
●Situation 3
Harry: What time do we have to be at the restaurant?
Ann: At 6:30. You need to get dressed.
Harry: Should I wear formal clothes or casual clothes?
Ann: You should put on your suit and tie because it's a very nice restaurant.
『スリー・フォー・クーロアール(Three-Four Couloir)』。モレイン湖側にあるテン・ピークス(10つの峰)の文字通り、ちょうど3番目と4番目の峰の間にある長さ約800メートル、幅約50メートル、最大傾斜約60度のクーロアール(急峻な岩の溝、回廊。カナダではシュートと呼ぶ)だ。モレイン湖を訪れる観光客が、車を下りた目の前の展望台からちょうど真正面にその巨大なシュートは見える。
メインの展望台から見ると左側にはテン・ピークス、右側には山頂のマクドナルド氷河が有名なマウント・テンプル(3547m)がそびえ、その景観はまさに絶景。
1週間ほど前、知人のツアーガイドが仕事中にこの場所で大きな落石を目撃した。しかも同じ時期に近くの別のクーロアールでは、地元の若いカナディアンクライマー2人が死亡するという悲しい事件があった。
そんなニュースに怯えながらも、どうしてもそのシュートをスノーボードで制覇したい気持ちを抑えきれず、友人健司と車に道具を詰め、前夜は近くのレイクルイーズのキャンプ場にテントを張った。
季節はずれのスノーボード
翌朝5時半、「おい! 遅刻だ!」 狭いテントの中で健司が叫んだ。本来ならば3時には起きて準備をするはずだったのに、すっかり熟睡してしまった。このレイク・ルイーズのキャンプ場は、ロッキーでは稀な高圧電流のバリケードで守られている。通常カナダのキャンプ場では熊の出現を警戒しながら全ての行動を取るが、カナダらしからぬこのキャンプ場ではそれが一切必要なかった。というのも、以前アメリカからのキャンパーが熊の出没に驚き、キャンプ場を訴えたらしい。僕らはこのせい(?)で安心してすっかり熟睡してしまった。慌てて寝袋から這い出てテントの外に出ると、空はすっかり明るくなっている。使う事のなかったヘッドライトが寝ぼけた顔の下にぶらさがっていた。
午前6時、まだ日の当たらない薄暗い湖面を眺めながら、湖畔沿いのトレイルを季節外れのスノーボードブーツで歩く。この湖にそそぐ源流の川にかかる不安定な丸太の橋を渡り、岩だらけの斜面を足の置き場に苦労しながら、ようやくシュートの下の雪面にたどり着いた。ここで荷物をいったん下ろし、アイスアックス(ピッケル)に持ち替える。ヘルメットを被り、クランポン(アイゼン)を履き、2人でルートの確認をした。
お互いを約5メートルの間隔でロープアップする。この雪渓に入れば、傾斜がキツくて荷物もろくに下ろせないことを考え、頂上部が見える安全な場所で、早目の食事を取ることにした。もちろん水分もたっぷり取る。
午前8時半、昨晩のBBQの残りで作ったベーグルサンドを食べながら、再度ルート確認。天気は良いものの、気温も低く、直接の日差しは両脇の岸壁に閉ざされ斜面には当たっていない。雪もそれほど緩んでおらず良い感じだ。そんな切り立った岸壁をありがたく感じたが、どうしても落石の心配は隠せない。
全ての用意を済ませ、お互いにロープの結び目や道具のチェックをしてから登り始める。少し登ったところから足元が埋まり、雪面が不安定になってきた。先頭の僕がキックステップで登っていく。一歩また一歩、斜面に足を蹴りこんでいくのだ。かなり体力を消耗するのだが、後ろの健司は楽しそうに歌を歌いながら僕の作ったその即席の階段を登ってついてくる。先頭と後ろでは体力の消耗がまるっきり違う。僕らはお互いに先頭を交代しつつ、後ろについた者は歌を歌い、頂上までの距離をかせいだ。
遠く離れたところから斜面上に見えた縦の細い線は、人の背丈以上はある溝だった。ただまっしぐらに直登しようと思っていたが、場所によってはいやおうなしにその雪の溝を渡らなければならない。ビレイ(安全確保)を繰り返し、落下を防ぎながら慎重に溝をまたいでいく。
落石の危険
時間がたつにつれ小さい落石が何処からともなく転がってくる。斜度がきつくなるにつれ、呼吸が荒れて下向きがちになってしまうが、常に上を見ていないと落石にぶつかる恐れがある。
その折、ちょうど2人の真上から落ちてくる落石があった。「おい! あれ危ないぞ!」。ソフトボールほどの岩が何回かバウンドを繰り返しながら、僕らのすぐ脇を「ブーーーン」と音を立てて転がっていった。2人とも言葉を失い、その行方を目で追う。そして無言のまま目を見合わせ、また登り始める。無駄にも僕は試すかのようにアイスアックスで自分のヘルメットを2、3回軽く叩いてみた。
傾斜は次第にきつくなり、そして落石の数も次第に増えてくる。登るに連れて不安な気持ちになってきた。ふと先頭の健司が「あぶねっ!」と、とっさに身をかわした。すぐ後ろを歩いていた僕は、もちろんとっさには避けられない。見事右手の甲に落石がヒット。その後、しばらくシビレで手の感覚がなかった。アイスアックスを左手に持ち替えたが、痛みでしばらく立ち止まる。
朝方、日が当たっていただろうその場所は雪も緩んでいて、クランポンを履いた足は太ももまで埋まる。しかも傾斜は60度近い。不安定な場所ゆえに嫌でも後ろを振り返ってしまう。気がつけば、眼下に見えるモレイン湖はいつの間にか小さくなっていた。もしここで2人とも滑落したらまず助からない。この緩んだ雪面では、アイスアックスを使って滑落停止も出来ず何百メートルか転がり落ちるだろう。まさに糠に釘、運が良くて重症だ。
先頭を健司に代わってもらった。彼の後を歩いても太腿まで埋まってしまう。アイスアックスを根元まで突き刺し2歩登り、またさらに上へさし込み2歩登る。簡単だったはずの即席の階段は、踏み込んでも崩れる腹立たしいものになった。落石に当たった右手はまだしびれていたが、それでもお構いなしに斜面を掴み、這いつくばって登った。なかなか頂上につかないもどかしさから気がいらだつ。もうここまできたら引き下がれない。先頭の健司も時折埋まる雪面に怒り、叫び声をあげていた。
この胸突き八丁に1時間ほど苦しめられ、登攀開始から約5時間後、ようやく斜度が緩やかになり頂上にたどり着いた。まっ平らな場所を探し、全ての道具を雪の地べたに無造作に投げ出した。
谷底までまっ逆さまの大絶景
滑降を目前に興奮してくる。10年間スノーボードをしていてもこの感覚は稀だ。緊張からか足に力が入らない。いつもより確実にしっかりとバインディングを締め、必要のなくなったハーネスのベルトを少し緩める。さあ、後は滑るだけだ。お互いに登ってきたルートを思い出しながら、滑り下りるルートを確認しあった。落石を心配し、一人ずつ滑る事にする。
まず僕がモレイン湖に向かって飛び出した。斜度がゆるいスタート地点から滑り出すと、その先は斜度がきつすぎて下が全く見えない。恐る恐る近づく。それでも10メートルも滑ると、ちょうどジェットコースターが急下降をするかのごとく、谷底までまっ逆さまの大絶景が広がってきた。
一瞬、あまりにも急で長い斜面にたじろぐ。それでも後ろで一眼レフを構えた健司の期待に応えるべく、フロントサイドターンで彼の前を滑り降りた。またすぐさまキックターンでバックサイドに切り替える。1ターンで5メートル以上落ちていく。
周りの雪や小さい岩も一緒に音を立てて落ちていく。自分の起した小さな雪崩に捕まらないように右へ左へ交わしながら滑った。4、5回ターンを繰り返した後、この急斜度に抱いていた恐怖感が少し消えた。「よし! このまま滑れそうだ」そう確信すると、フロントサイドで目の前に迫った斜面に片手を寄りかかり、なるべく立ち止まらないように確実に滑り降りた。
登り始めに食事を取った場所まで、あっという間に降りてきた。5時間登って降りるのに10分かかっただろうか。後ろを振り返ると豆粒ほどの大きさになった相棒が、僕の滑り終わりを確認して滑り始めたところだった。
健司も右に左にテンポ良くしっかりとターンをして降りてくる。少し時間がずれて渓谷に響きわたるターンの音が聞こえてきた。今度はお返しに僕が下から彼をカメラで狙った。やがて健司が僕の所まで無事に降りてきた。2人ともいつも以上に締め付けた足が痛い。そのまま休まず安全を確信しつつ軽快に滑り降りた。
滑り終わったトラックを眺めながら2人で喜びを分かち合う。上を見上げる2人の顔は満面の笑みだ。そこで残った行動食を口にしながら、しばし休憩する。無事に達成した今、先程の緊張感が嘘のように感じられた。ホッとしながらブーツの紐を歩けるほどに緩め、今度はハッキリと絵の具のように、美しく青く染まった湖面を眺めながら帰路に着いた。
5日後、再び健司と別のクーロアールを滑ろうとテン・ピークスの回りを下見のトレッキングに出かけた。僕らは唖然とした。スリー・フォー・クーロアールは下から3分の1の場所で斜面がスッパリと切れて雪崩れた後だった。交代で双眼鏡を覗き、僕はその破断面と下に雪崩れた跡の瓦礫を細かく確認した。「運が悪かったらあれに飲まれてたな。」雪崩によって雪のなくなった茶色い斜面を見て、ホッと胸を撫で下ろした。
TOLOCO
写真などを見たい方はこちらまで↓
www3.telus.net/public/toloco/
バンクーバーのホステルをチェックアウトして向かった先は、ノースバンクーバーのグロース・マウンテン。これから二晩お世話になる連れの叔父さんが山頂で働いているため、そこで待ち合わせをしてスクワミッシュのお宅に連れて行ってもらうことに。山のふもとに止まっている叔父さんのトラックの隠しキーを見つけ、バックパックをトラックに残していざ山頂へ。
心臓破りの階段
冬はスキー場になっているためゴンドラがあるが、あえて歩いて登ることに。しかし、知らずに歩き始めたこの「グロース・グラインド・トレイル」は、実は森の中を山頂まで延々と登る心臓破りの階段だったのだ。初めは、バンフ周辺とはまた違うコケでしっとりした大木の森に感激しながら歩いていたが、30分もしないうちにこの急な階段に息が切れてきた。サルファー山やトンネル山のようなジグザグなスイッチバックのあるトレイルではないと聞かされ喜んでいたのだが、このひたすら上へ上へと登るトレイルには参ってしまった。こんなきついトレイルでは利用者が少ないのかと思いきや、かなりの数の人が登っているのだ。
登っても登っても終わりがないように思われたこのトレイルも、ゼーゼー言いながら1時間20分後には山頂に到着。山頂には、ゴンドラで楽をして山頂に着いた観光客がたくさんいて少々面白くなかった。連れの叔父さんであるウォレンさんは、木こりというか、木材を扱う仕事をしていて、ここでは山頂にある巨大な木の彫刻の維持を任されているという。彼の仕事が終わるのを待って、スクワミッシュに向けて出発。
タンタラス山脈を望む隠れ家ロッジ
約一時間半のドライブの後、ハイウェイ99をそれてすぐに車を止めたのが、「タンタラス山脈ビューポイント」。よくある道路際の展望スポットだが、くねくね曲がった木でできたユニークなベンチとインフォメーション標識がある。それを指差し、「これは僕がここに寄付したもの」とウォレンさん。標識の裏を見ると、なるほど彼のロッジとビジネスの案内が載っている。ウォレンさんが建設、経営しているロッジ「タンタラス・ビュー・リトリート」
小林りん
1 Tantalus View Retreat; Squamish, British Columbia(国道99号線スクワミッシュの12.8km北、ウィスラーまで25分)
予約・問い合わせ 604-892-4380/retreat@telus.net www.tantalusviewretreat.com
2 Coastal Cedar Creations (Warren Brubacher) www.tantalusviewretreat.com/coastal.htm
妹の愛した山の国
12年前に日本で別れた妹。妹はカナダ、僕はオーストラリアに定住。日本からの人気渡航先で常に上位に入る国でお互いに生活していても、そこは地球上の北の果てと南の果て。全く違う大陸上だ。常に正反対の季節であることや17時間という時差が、日常の会話に支障をきたすのはもちろん、13,000kmという距離が二人の再会を拒んできた。
スイスの山々の四季やニュージーランドの氷河湖の美しさを堪能していた僕には、「キレイな所だから一度来てよ」という妹の再三の誘いもうわの空で、なかなか再会も実現できなかった。
ところが今年の7月、アメリカ西海岸への旅の途中に急遽カルガリーまで足をのばすことになり、とうとうバンフを訪れることができた。直前までこの地を訪れる予定など全くなかった僕の訪問を歓迎してくれるかのように、滞在中は雲一つ無い青空の日々が続く、素晴らしい夏のロッキーだった。
12年ぶりの再会という特別の感情が働いていたのも確かだが、尖った壮大な山々に囲まれた湖は、どれをとっても「キレイ」という言葉の粋を越えていた。日本語にもっと適切な単語が存在し、妹が「キレイ」をもっと上手に表現していたら、12年ぶりは数年ぶりになっていたかもしれない。
「どこまでも広がる青い空」「神秘的な青緑色の湖」「白い氷河の山々」は、どこを切っても絵になる光景ばかり。そのスケールとダイナミズムからヨーロッパの山々とニュージーランドの湖が同居しているような、そんな錯覚を与えてくれたカナディアンロッキーの大自然だった。
「夏の山の国」から「冬の海の国」の現実の日々に戻った今でも、13,000km先、妹が愛してやまないカナダの国に思いをはせる毎日だ。
清水 駆(かける)
2004年8月19日更新