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2004年3月下旬号

ボウ谷の狼、今のところ安泰

 

  ここボウ谷では、多くの狼が高速道路や線路での追突事故により命を落としている。しかし、生物学者Mark Hebblewhite氏が今年2月に終えた調査結果によると、人間の行動に起因する死が多いものの、現在のところこの地域に生息する狼が絶滅する可能性は低いという。
  Hebblewhite氏の調査は、アルバータ大学主導で4年間行なわれたエルクの研究の一環として、その捕食動物である狼をターゲットとしたもの。バンフ国立公園を含むセントラル・カナディアン・ロッキー地区に生息する「ボウ・バレー」、「ランチ」、「カスケード」、「レッド・ディアー」、「ワイルドホース」と呼ばれる五つの群すべてから合計16頭を選び、GPS首輪(人工衛星からの信号を用いて居場所を探知するもの)を装着した。
  この調査によると、同地区にはこの五つの群に属する約40〜50頭の狼が生息しており、約1200頭から成るエルクの群を食糧源としている。「これらの狼の行動は、ほぼすべて把握している。(略)これほど多くの狼に関する情報が集められたことは今までにない。(略)今後も(人間の行動に起因する死が増えないよう)引続き注意が必要だが、個体数は40〜50頭に安定している。これらの狼の絶滅を警告するような要素は見られないし、バンフ国立公園内の個体数が変動している様子も特にない。一つか二つの群が増えたり減ったりしたくらい」と同氏。
  Hebblewhite氏は、「レッド・ディアー」と呼ばれる群の行動範囲が広域に広がり、ボウ谷上部まで達していることが特に興味深いとし、「この群がまだ国道一号線を横切っていないことはわかっているが、この地区に出入りしているという事実は、国道一号線の拡大計画を練る上で重要な意味を持つ」と述べた。
  調査結果のなかでもうひとつ同氏の興味を引いたのは、エルクの死因。狼の一番の食料源はエルクのため、狼による死が圧倒的に多いと信じられてきたが、猟を含む人間の行動による死が全体の27%を占めていた。「まだ準備の段階だが、集まったデータは死因の多様さを示しており、この地域におけるエルク個体数の変動に人間が大きく関わっていることがわかった」と同氏は述べた。
  狼の調査が終了した後、GPS首輪を装着されていた狼のうち7頭は首輪をはずされ放たれた。「狼を永遠にモニターしつづける必要はない。解放してあげられてよかった」と同氏。

アウトルック紙より


フェンスに引っかかったエルク、安楽死へ

 

  2月20日(日)、国道一号線沿いのフェンスに引っかかり抜け出せなくなっていた雄のエルクをワーデン(森林警備隊)が射殺。人道的理由からの安楽死だった。
 本来、野生動物が道路へ飛び出すことを防ぐために国道沿いに張られているフェンス。国立公園ゲート西約2kmのキャロット・クリーク付近で、このフェンスにエルクが引っかかっているのを国道を走っていたオートバイの運転手が見つけ、通報した。駆けつけたワーデンは一時間以上にわたりフェンスから引き離す努力をしたが、憔悴したエルクは抜け出すことができなかった。
 ワーデンのBradley Bischoff氏は、「エルクはその場に数時間いたと見られる。起き上がれるようにいくつもの方法を試したが、一時間ほど経った時点で憔悴しきっているのがわかった。(略)我々の間でどう対処すべきか話し合い、慎重に検討した上で、人道的理由により安楽死させるという結論に達した」と語った。
  現場の状態から同氏は、このエルクは道路とフェンスの間の斜面で草を食べていた際に滑り、足がフェンスの下に引っかかって抜け出せなくなっていたのではないかとしている。解剖の結果、このエルクは最悪の健康状態にあり、左前足に古い傷を負っていたこともわかっており、「あの古傷がエルクの体力消耗に少なからず影響を及ぼしていたに違いない」と同氏は述べた。

アウトルック紙より


 

パークスカナダの予算、大幅増


  2月23日(水)に発表されたカナダ連邦政府の2005年度予算編成で、史上最高額の3億1500万ドルが、全国41ヶ所の国立公園を管理・運営するパークスカナダの今後5年間の予算に振り当てられることが明らかになった。これにより、さまざまな構造基盤の改善が予定されており、観光業に与える好影響も大いに期待されている。
  この新予算のうち2億9百万ドルは、今後5年間の設備支出にあてられる。老朽化した道路や橋、公園施設やキャンプ場などの修復が対象。これは年間予算額にして、現在の4千万ドルから1億1500万ドルへの大幅な増加。パークスカナダCEO(代表執行役)のAlan Latourelle氏は、「バンフを含む山岳公園は、パークスカナダの資産全体の約三分の一を占める。(略)2億9百万ドルの三分の一が山岳公園に投入されると考えてもらって支障はない」と述べた。山岳公園とは、バンフ、ジャスパー、ヨーホー、クートニー、マウント・レベルストーク、グレシャー、ウォータートン・レイクス国立公園を指す。
  パークスカナダ山岳公園のBill Fisher理事によると、新予算はまず、最も資金が必要とされている三つの分野に投入される。一つは文化的資産。身近なものでは、ケイブ・アンド・ベイスンの設備修理・改善、カスカード・ガーデンやパークスカナダ管理事務所の建物の修復などが予定されている。
  二つめは国道やその他の道路設備で、バンフ西に位置する複数の橋の修復・改善が挙げられている。キャッスル・ジャンクションとレイクルイーズ間の国道一号線二車線化の費用は予算に含まれていない。
  三つめの分野は、上・下水道設備の修復・交換。トンネル山キャンプ場の上・下水道配水設備の総入れ替えが予定されている。理事は、「初めは、大半の人にとっては目立たないもの(変化)も多い。だが、それは我々が行うことのほんの一部。他にも、教育的施設、展示やデイ・ユース・エリアなど多くの設備が改善される予定」と述べた。
  今回の予算の大幅増は、地元環境保護団体からも高く評価されている。「アンダー・ザ・スリーピング・バッファロー」の広報担当Dave Campbell氏は、「素晴らしい予算だ。今までの連邦政府の国立公園や歴史的資産に対する責任放棄に終止符が打たれたことを示している」と語った。ボウ谷自然主義者会長のMike McIvor氏も、「カナダ国民が国立公園を大切にしたいと思っていることを連邦政府が認めた証だと信じたい。何年も続いた予算削減の後に、やっと良い方向に向かって動き出した」と述べた。

クラグ・アンド・キャニオン紙、アウトルック紙より

 


ビックホーン・シープ、お引越し

 

  2月1日(火)・2日(水)、パークスカナダは、25頭のビックホーン・シープをクートニー国立公園からブリティッシュ・コロンビア州プレミア・リッジへ移住させた。プレミア・リッジに生息するビックホーン・シープの群の個体数は、この10年間で約200頭から30頭以下に減少。群を保つために必要な個体数を補うための移住だった。
  移住させられたのは、クートニー国立公園とその一帯に生息する「ラジウム」と呼ばれる群からの25頭。干草とリンゴをすり潰したもので群全体を囲いの中におびき入れた後、その中からメスを中心とした健康な25頭が選ばれた。
  パークスカナダ野生動物専門家のAlan Dibb氏によると、輸送の際に薬物で眠らされたヒツジは一頭もいなかった。通常、ヒツジは移住によく順応し、輸送の際のストレスも比較的少ないという。
  25頭を受け入れた「コロンビア・ベイスン魚類・野生動物コンペンセーション・プログラム」のLarry Ingham氏は、22日(火)、移住はヒツジに特に大きなストレスを与えていないようだとした。「まだ地元の群と合流していないようだが、冬季の生息地はかなり集中しているので、合流するのは時間の問題。一度群と群が遭遇すれば、お互いの後に付いて行動を共にするようになるだろう」と同氏。
  草食のビックホーン・シープは、生息に草地を必要とする。プレミア・リッジでは過去10年間、開発が進むと同時に木がまばらだった草地に森林が広がっており、このことが個体数減少の大きな要因とされている。現在プレミア・リッジでは、ビックホーン・シープの生息地として約300ヘクタールの森が間伐されている。
  一方、25頭が引き抜かれた「ラジウム」の群の個体数は、過去約50年間で最多。Dibb氏によると、この移住は「ラジウム」の群にとっても有益だという。「ヒツジの個体数を維持する観点から、他の地域に健全な群がいることは長い目で見て良いこと。もし何らかの理由でこの群の個体数が激減した場合、他地域からヒツジを連れて来る必要が出てくるかもしれない」と述べた。
  また、約20年周期で個体数の大きな群を襲う病気があるため、一部を移住させる形で数を減らすことは、病気を防ぐことにもつながる。「(この病気は)群の個体数が多くなったときに起こるようだ。群が大きいことにより起きるストレスや食料の減少が、群の大部分を殺してしまう病気の誘因となるようだ。こうなると、一気に個体数が低レベルまで減少する」とDibb氏。

アウトルック紙より


Information

 


2004年3月下旬号

春のコミュニティークラス

  バンフやキャンモア町が主催するコミュニティークラスの春の部コース一覧小冊子が3月15日(火)から町に出回っています。同週のクラグ・アンド・キャニオン紙やキャンモア・リーダー紙にはさまれている他、町役場でも入手可能です。


Income Tax計算のお手伝い

 

 バンフ町役場では、低所得者や高齢者を対象に、無料のIncome Tax計算お手伝いサービスを4月30日(土)まで行っています。NancyまたはSueまで予約の電話を入れてください。762-1253


キャンモアに新テニスコート

 

  キャンモアのライオンズ・パークにある古いテニスコートの改装工事が予定されています。完成予定は2006年。工事は、今年5月から9月にかけて行われる予定です。


大型電化製品の処理法


    冷蔵庫やエアコンなどには、オゾン層の破壊につながる有害物質が含まれています。このような大型電化製品を廃棄する際、この有害物質を適切に処理するため、バンフ町役場では$20の手数料を課しています。インダストリアル・コンパウンド内のオペレーション・ヤード(120 Hawk Ave./762-1240)までお持ちください。


BT編集部ボランティア募集

  バンフタイムズでは、折り込みをお手伝いしてくださるボランティアを募集しています。1ヶ月に2回、約3時間の作業です。ボランティアのお礼として、編集部内のパソコンのインターネット使用を提供します。興味のある方は小林まで。
(762-5991/banfftimes@telus.net


 

*記事に関するご意見やご感想をお寄せください。banfftimes@telus.net

 

2004年3月3日更新

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